結婚せずに独身で過ごしている方や離婚を経験したおひとりさまの間では、死後の行き先についてのトラブルが起こりやすいと言われています。
たとえば、実家の家族墓に入ることができない、自分のお墓を管理してくれる子孫がいないなどの問題に対して、どんな方法で対処すればいいのでしょうか?
今回は、おひとりさまなら考えておきたいお墓問題についてご紹介します。
目次
おひとりさまのお墓問題が増えてきている
通常お墓は自分たちが亡くなった後も子孫が管理をする形で、何十年にも渡って受け継がれていきます。
しかし、近年は未婚率や離婚率が上昇していることから、おひとりさまを選択する方も増えてきました。
そんなおひとりさまに起こりやすいのが、自分の死後のお墓の管理や供養の形。
特に次のような2つの問題を抱えて、法務事務所へ相談をする方がいらっしゃいます。
・親のお墓の管理
親元を離れて遠い地域で暮らしている方は、実家にあるお墓まで足を運ぶのが難しく、お墓参りにもなかなか足を運べない可能性があります。
特に一人っ子の場合は親の死後、お墓を受け継ぐことになりますが、子孫がいないと自分の死後に管理できる人間がいなくなってしまうので、お墓をどうするべきか悩むことが多いのです。
・自分の埋葬について
また、自分が入ることができる家族墓があっても、自身が亡くなった後に埋葬してくれる親族がいないと悩んでいらっしゃる方も。
反対に、結婚によって一旦実家を離れた方も離婚したことで、旦那の家族墓にも実家のお墓にも入れないケースもあります。
おひとりさまのお墓問題を解決する方法は?
それでは、このようなおひとりさまのお墓問題は、どのように対処すればいいのでしょうか?
・家族墓を引っ越しする
まず、自分が暮らしているところから実家のお墓が遠い場合は、お墓ごと引っ越しをする方法があります。
このように利用していた墓地を離れ、別の墓地に移転することを改葬と言い、既存のお墓ごと引っ越す方法と引っ越し先の墓地に新しくお墓を建てるパターンがあります。
・実家の家族墓に埋葬してもらう
たとえ実家を一度出た後でも、家族墓に埋葬してもらうことは可能です。
ただし、お墓を管理している方との不仲などの理由によって、家族墓に入れないというケースもあります。
また、遠く離れて暮らしているうちに疎遠になり、実家の家族墓に入るのが難しいと感じている方もいらっしゃるでしょう。
その場合は次の方法で、自分の死後の事務処理や供養を依頼しましょう。
・後見契約を結ぶ
最近では、おひとりさまでも葬儀から埋葬までの一連の流れを行う、「死後事務委任契約」を結べる団体も登場しています。
この死後事務委任契約を結んでおけば、葬儀から埋葬までの死後の一連の事務を全て希望に沿って実行してもらえます。
たとえば、葬儀社や老人ホームへの医療費の支払いなどもできるので、自分に万が一のことが起きた場合に対処してもらえます。
・永代供養を依頼する
自分でお墓を建てても、管理料を納めてくれる誰かがいなければ、無縁墓となってしまいます。
最悪お墓ごと撤去される可能性もあるので、お寺などが永代に渡って供養してくれる永代供養を依頼する方法もあります。
また、兄弟などがおらず最終的に自分の死後にお墓を管理する人が完全にいなくなってしまう場合も、両親や自分も含めて永代供養を依頼しましょう。
永代供養が備わっている霊園や寺院であれば、たとえ身寄りがないおひとりさまでも、永代に渡って供養をしてもらうことが可能です。
<まとめ>
おひとりさまは今あるご先祖様のお墓と、自分がどのお墓に入るのかという問題が起きやすいです。
せっかくお墓を建てても、死後に管理料を納めてくれる誰かがいなければ、やがて無縁仏として合祀される形になります。
そのため、自分がどのようなエンディングを迎えたいのか考えた上で、生前のうちにお墓を用意したり永代供養を依頼したりと、死後の手続きを進めていきましょう。