墓誌はお墓に埋葬されているご先祖様の戒名や俗名、命日などを彫刻した石板です。
もともと過去帳で管理されている項目ではありますが、お墓にも墓誌を設けることで誰が見てもすぐにどんな方が埋葬されているのか確認ができるのです。
また、墓誌には戒名などのほかに、ご先祖様の続柄をそれぞれ記載する方もいらっしゃいます。
今回は墓誌に続柄を入れるメリットや、注意点をご説明します。
墓誌に続柄を入れるメリットとは?
墓誌は代々にわたって受け継がれるお墓に、どんな方々が埋葬されているのか一目で確認できるものです。
戒名や享年、略歴などまでその人の生前の姿を知っている子孫が亡くなった後も、正しく後世に伝えていくことができるため、もともとあるお墓にも墓誌を設置される方もいらっしゃいます。
お墓にも埋葬されている方の戒名や享年を彫刻していきますが、長い歴史があるものだと彫刻するスペースがなくなることもあります。
必ずしも墓誌がお墓に必要というわけではありませんが、墓誌を作っておくことで過去帳を見なくても家系の歴史がわかるのです。
そして墓誌に続柄も彫刻する一番のメリットは、後の子孫が埋葬された方々の関係について混乱しないで済む点です。
墓誌は続柄順に並ぶように彫刻する方法と、亡くなられた方から順番に彫刻していく方法があります。
亡くなられた方から順番だと、後に子孫がご先祖様の誰と誰がどんな関係なのかわからなくなってしまうことがあります。
続柄が記載されている過去帳は紙でできているため、石とくらべて劣化が早いです。
万が一紛失する恐れもありますが、墓誌を用意しておけば過去帳が見つからなくてもお墓を見れば続柄が確認できるのもメリットの一つ。
これから墓誌を建てたいと考えている方は、後の子孫のためにも続柄も合わせて彫刻することをおすすめいたします。
墓誌は誰から見た続柄を彫刻するのか
墓誌に彫刻する続柄は、基本的にお墓を建てた長男(世帯主)から見た基準で刻んでいきます。
そのため夫婦であればお墓を建てた長男の横に妻が並び、その次から子や孫が並んでいく形になります。
昔は一代ごとにお墓を建てていることが多かったため、墓誌の設置自体があまりありませんでした。
しかし、家族墓が主流になってきたことで、代々のご先祖様が一つのお墓に埋葬されるようになりました。
墓誌に続柄を彫刻する際の注意点
続柄がわからない場合は亡くなられた方が記載されている「過去帳」を調べてみることをおすすめいたします。
しかし、自宅に保管していた過去帳が見つからないといったケースもあります。
もし寺院墓地であれば、菩提寺で管理されているので墓誌に続柄を彫刻する旨を伝えて調べてもらいましょう。
また、もともとある墓誌に続柄を彫刻する際は、彫刻スペースが足りない可能性もあります。
さらに新しく彫刻した文字はほかの部分から浮いてしまうので、場合によってはスペースが広い墓誌を新たに建立するのも検討してみてはいかがでしょうか。
<まとめ>
墓誌はお寺や自宅にある過去帳だけでなく、石に直接残せることから自分の子孫たちに正確に、戒名や享年、続柄などを伝えることができます。
将来お墓を改葬するときに、どんな方が埋葬されているのか調べやすくなるなど、いろいろなメリットがあるのです。
これからお墓の建立をしたいと考えている方は、ぜひ墓誌へ続柄の記載も行いましょう。