お墓を建てるにあたって「墓相(ぼそう)」という言葉を耳にしたことがありませんか?
運気を上げるために家の中の風水を意識する方がいるように、実はお墓にも墓相によって良いとされている向きやバランスなどさまざまな研究がなされてきました。
この墓相ですが、現在でもお墓を建てる際は参考にするべきなのでしょうか?
今回は気になる「墓相」とは何か、また参考にする際の注意点などをご紹介いたします。
墓相とは
「相(そう)」と言えば、手に手相や顔に人相があるように、その人の性格や将来性など縁起の良し悪しを判断する基準です。
実は私たちにおなじみの風水こそお墓の良し悪しを占う墓相がルーツであり、日本でも古くから墓相をもとにお墓を建てる位置や方向を参考にしてきたのです。
日本では古くからお墓を「奥津城(おくつぎ)」と呼んでおり、家の敷地内の奥に埋葬をしていました。
もともと人の死は穢れとして嫌われており、お墓を建てるにあたって身内に不幸が訪れないよう墓相を参考にしてお墓を建てていたのです。
現代でも墓相を参考にしてお墓を建てるべき?
先人たちはお墓を子孫繁栄の基礎として重要視してきました。
だからこそ土地の知識をはじめ建て方や方向、さらには石材の種類にいたるまで研究を続けてきたのです。
今私たちが生きていられるのは、ご先祖様がいたからこそです。
たとえば墓相では、子供たちが出世をしたとしてもご先祖様が建てたものより小さいお墓を作らないと家運が低下するとされてきました。
ほかにも墓石の方角は北や西が凶相の方角であり、吉相である南向きや東向きにお墓を建てるのが良いなど、墓相にはさまざまなものがあります。
しかし、墓相を参考にしすぎるのもお墓のデザインや墓地の立地に、後から不満が出る結果になることも考えられます。
私たちがお墓を建てるにあたって重要視すべきなのは、お墓を建てる方角よりもご先祖様が安らかに眠れるように、きちんと環境を整えること。
たとえば墓地を選ぶ際は管理が行き届いていて、安心してお任せできるところを選ぶことが大切です。
お墓のデザインもまた、墓相を気にせず将来のことを考えて背が低い洋型墓石を選ばれる方が増えてきました。
このようにご先祖様の供養を無理なく続けられる環境に、お墓を建てることが代々にわたって受け継がれるお墓になるのではないでしょうか。
墓相のためにお墓を建てるのではなく、建墓について悩むことがあれば一つの参考にして、墓相を取り入れてみてはいかがでしょうか。
<まとめ>
お墓を建てるにあたって、「この方角はよくない」、「デザインはこうするべき」などの墓相を耳にすることがあります。
しかし、実際のところ最近では墓相を元にお墓を建てるよりも、自分たち好みのデザインのお墓や、故人の願いや交通の便などで墓地を選ぶ方がほとんどです。
あくまで墓相はお墓づくりの上での一つのアドバイスとして、心に留めておいてみてはいかがでしょうか。