仏教では数えきれないほどの仏様が存在しています。
信仰礼拝の対象である仏様は、仏教の世界観や教義を私たちに伝えるために、色々な仏像として作られてきたのです。
そんな仏様ですが、いくつかに分類されているのをご存知でしょうか?
今回は仏教の基礎知識として知っておきたい、仏様の種類についてご紹介します。
目次
仏様はどれくらいの数がいるの?
仏様が具体的にどれくらいの数がいるのかは、判明していません。
例えば仏像になっているだけでも数千の仏様がいますが、世の中にありとあらゆるものに仏様が宿っているとも考えられており、その数は万以上にも及ぶでしょう。
しかし、仏様は大きく分類すると、如来、菩薩、明王、天部、その他という5つに分けることができます。
どれも上下関係があるわけではなく、それぞれの役割の違いによって区分分けされているのです。
それでは、この5つの区分の仏様それぞれの特徴について、見ていきましょう。
仏様の種類ごとの説明
・如来(にょらい)
如来と聞くと「釈迦如来」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
悟りを開いたお釈迦さまの姿が基本で、衣を軽くまとっただけの質素な姿をしているのが特徴です。
仏様の中で最高の境地に至ったという最高位に当たり、釈迦如来は仏法の開祖として有名です。
・菩薩(ぼさつ)
修行中で王子だった時代のお釈迦さまが原型で、首飾り、イヤリング、冠などの派手な装飾品をまとっています。
「悟りを求める者」を意味しており、最高の境地である悟りを目指して修行中の仏様や修行者のことを指しています。
・明王(みょうおう)
明王は如来からの命令を受けて、正しい道から背こうとする者に対して怒ったり、強引に屈服させたりする役割を持つ仏様です。
有名な不動明王のように顔付きは険しく、迫力のある形相が特徴。
如来や菩薩が蓮台に座しているのに対し、明王は岩や動物といったさまざまなもの上に座し、武器を持っている合もあります。
・天部(てんぶ)
弁財天、大黒天、毘沙門天などはこの天部に区分されます。
釈迦の説教に感銘を受けた古代インドの神々のことで、如来と人間との中間に位置する存在です。
仏教への信仰心をさまたげる外敵から民衆を守り、仏法を守る役割を担っています。
・垂迹(すいじゃく)
上4つ以外の仏様は垂迹と呼ばれており、実在した高僧や釈迦の弟子もこれに当たります。
釈迦の元に集まった16人の高弟のことを「16羅漢」と呼び、四国お遍路でも多くの羅漢像を見ることができます。
<まとめ>
私たち日本人は仏教徒でも、具体的に仏教の基礎についてくわしく知っていない人も多いです。
しかし、仏教の基礎知識を把握した上でさまざまな仏事を見てみると、その背景がわかりより深く楽しむことが可能です。
仏像を見る機会があったら、今回ご紹介したポイントを抑えて細部まで観察してみてはいかがでしょうか。