お墓の側面や裏には、その場所に眠っているご先祖様や故人の名前を彫刻することが多いです。
しかし、あらかじめ彫刻する順番のルールを決めておかないと、刻まれた名前の方がどんな立場の人だったのかわかりにくくなってしまうことも。
今回は、お墓や墓誌に名前を刻む順番にどんなものがあるのか、種類ごとにご紹介いたします。
亡くなった順に彫刻していく
もっともシンプルでわかりやすいのが、亡くなった順に彫刻していくこと。
順番に彫刻をしていくので、彫刻の間に隙間ができず見た目がきれいな印象になります。
ただし、亡くなった順に彫刻をしていくと、誰がその家系でどんな立場の人だったのかわからないことがあります。
亡くなられる順番は、必ずしも祖父母→両親→自分の代と続いていくとは限りません。
単純に亡くなった人の順番に並べて彫刻をすると、他の人との関係性がわからなくなってしまうので、名前や年齢だけでなく「○○の妻」「長男」などの家族内での立場を一緒に彫刻する必要があります。
夫婦で彫刻する
彫刻する際に、必ず夫婦が横並びになるように彫刻する方法です。
まず祖父母が並んだらその横に息子夫婦が彫刻されるよう、あらかじめ文字を彫る場所をある程度決めておきます。
こうすることで、名前や年齢だけでも誰が家族の中でどんな人だったのかわかりやすくなります。
たとえば、先に妻が亡くなった場合は、夫の名前を彫刻するスペースを一行分空けて戒名を彫ることになり、不幸にも先に子どもが亡くなったときは、ご夫婦の2行分空けて子どもの名前を彫刻するというもの。
人は必ず死を迎えますので、空いたスペースはいつか埋まることになります。
しかし、あらかじめ彫刻するスペースを設けているのが、死ぬのを待っているようで縁起が悪いと感じる方もいらっしゃいますので、彫刻する順番は家族と相談した上で決めていきましょう。
追加彫刻の費用について
このような戒名や法名の彫刻は、遺骨をお墓に埋葬する四十九日などの時期に合わせて追加で行います。
追加彫刻はお墓を建立した石材店でも良いですし、彫刻を得意としている他の石材店へ依頼する方法もあります。
費用は墓石の背面や側面で1名5~6万円程度、霊標は4~5万円ほどが相場です。
依頼する際は、亡くなられた方の戒名と命日、俗名、享年を伝えましょう。
また、夫婦ごとの順番で彫刻をする場合は、亡くなられた方の家族関係も知らせておくと、彫る場所の間違いを防ぐことができます。
墓石は天然のものですので、一旦削ってしまうとその部分を削り取らなければなりません。
そのため、彫刻位置を間違えたという事態にならないよう、家族関係をしっかりと報告して石材店へ確認することが大切です。
<まとめ>
墓石への戒名や法名の彫刻は、亡くなられた順が夫婦を並べて彫っていくのが基本です。
しかし、どうすればいいのか判断がつかないときは、菩提寺のご住職様へ確認するのがおすすめです。
お墓の追加彫りは5万円ほどの費用がかかりますので、彫刻位置を間違えないよう十分確認した上で石材店へ依頼しましょう。