普段何気なく手を合わせているお仏壇ですが、そもそもどうして自宅に設置しているのかを考えたことはありますか?
今回は、お仏壇とはどんなものなのか、また用意する理由についてご紹介いたします。
お仏壇とは?
お仏壇は、仏様をお祀りするための小さなお寺のようなものです。
お仏壇の内部は各宗派の本山寺院の仏堂と似た作りになっているものが多く、その中にご本尊やご先祖様の位牌を祀っています。
お仏壇の歴史が始まったのは江戸時代からのことで、当時「寺請制度」が始まったことから、一般庶民はその宗派の檀家となることが定められました。
それからというもの、ご本尊であるお釈迦さまの側に位牌を置かせてもらうことで、故人やご先祖様が仏様として成仏すると考えられているのです。
ちなみに、ご本尊や位牌を祀る場所よりも下にあるくびれた台の部分は「須弥壇(しゅみだん)」と言い、仏教において世界の中心にあると言われている須弥山を表現したもの。
須弥壇より上に位置するものは清らかな仏や神の世界で、その下が私たちの生活する地上世界と考えられています。
須弥壇の上にご本尊や仏像を祀る場所が設けられており、中は金の彫り物で荘厳な造りになっています。
お仏壇の代表的な種類
そんなお仏壇ですが、最近では使われる素材によって見た目に違いがあり、住居の雰囲気に合わせたお仏壇が選ばれるようになりました。
ここでは代表的なお仏壇の種類をご紹介します。
・金仏壇
内側に金箔や金粉を装飾した豪華絢爛なお仏壇で、表は漆塗りになっています。
・唐木仏壇
高級な木材である黒檀や紫壇などの銘木が使われたお仏壇です。
・都市型・家具調
最近人気を集めているのが都市型や家具調のお仏壇です。
これらは洋室に合うインテリア性の高いもので、まるで家具のようなデザインになっています。
また、アパートやマンションなどのワンルームでも設置できるよう、従来のお仏壇よりも小型なタイプも人気です。
家族構成も変化しており、少子化や核家族化によって大きいお仏壇を引き継ぎ続けることが難しくなりつつあります。
そこで、この時代の変化に対応するべく誕生したのが現代仏壇。
仏間でなくとも家族が過ごすリビングやダイニングに置ける自然な風合いのお仏壇です。
<まとめ>
ちなみにお仏壇もお墓と同じく、新しく購入した時は開眼法要を行います。
位牌やご本尊だけでなく、僧侶による読経で初めてお仏壇にもご先祖様の魂が宿るのです。
いわばお仏壇は、第二のお墓とも言える存在。
毎日お墓参りに行くことは難しいですが、日々の出来事をご先祖様へと報告できる場としてお仏壇が祀られているのです。