毎日お仏壇に手を合わせる時や、お墓参りの際につけるロウソクについて詳しくご存知ですか?
身近な道具なのに、どうして仏事の際に使用するのか理由を知っている方は少ないです。
そこで今回は、意味を知って灯りをともしたいロウソクについてご紹介します。
ロウソクは古くから儀式に使われてきた
ロウソクの歴史は非常に古く、日本では天照大神を祀る太陽信仰のころから使われてきました。
今となっては、世界中で電気が普及し夜になっても明かりに困ることなく私たちは活動を続けることができます。
しかし、電気のない時代はロウソクが暗闇を明るく照らしてくれる存在として、丁重に扱われており寺院や宮殿などで儀式に使用されてきたのです。
その当時から、ロウソクの暗闇を明るく照らす力は邪気を払い除けるものとして、周囲を浄化して幸運を呼ぶ力があると信じられていました。
どうしてロウソクを供養に使うの?
ロウソクをお仏壇に供えたりお墓参りの際に使ったりするのは、以下の理由が挙げられます。
・不浄なものを祓って清めるため
そもそも仏教では、「火」を神聖な存在として扱ってきました。
ロウソクの灯りには、火によって周囲の不浄を浄める目的と、お墓やお仏壇の周りを明るく照らすことで煩悩の闇に光を当てる目的の2つがあります。
・ご先祖様との架け橋として
ロウソクの灯りには、ご先祖様と現世に生きている私たちを結ぶための役割も担っています。
お盆やお彼岸の時期に、迎え火を焚くのはご先祖様が道に迷わず、スムーズに現世に帰ってこられるよう場所を教えるためのもの。
また、お墓参りの際にロウソクを点けるのは不浄を祓うだけでなく、お参りに来た方々の顔を明るく照らし、ご先祖様に姿をよく見せるためでもあります。
ロウソクの保存の仕方のコツ
何年も前のロウソクを見つけ、箱を開けてみたらヒビが入っていた、溶けてしまっていたという経験はありませんか?
ロウソクは湿度と高温に弱いため、冷暗所に保管することが長持ちさせるコツです。
また、直射日光が当たってしまうと徐々に溶解が進んでいってしまうため、仏壇の上に出しっぱなしにせず、引き出しなど温度変化が少ない環境にしまっておきましょう。
また、急激な温度差があるところに移動させると、ヒビが入って使えなくなることがあるため、夏場でも冷蔵庫などには入れずにできるだけ涼しい場所を見つけ、常温で保管してください。
<まとめ>
何気なく使っているロウソクは、ご先祖様と私たちをつなぐ架け橋のような存在です。
毎日ロウソクをともして仏壇に手を合わせることは、ご先祖様や故人に挨拶をして感謝の気持ちを伝えるために大切なこと。
お墓参りの際もお線香に火をつけるだけでなく、きちんとロウソクを使って供養をしたいですね。