お墓は昔からある和型墓石の他、横長の洋型墓石などいくつかの種類があります。
その中の一つが「丘カロート型(丘納骨型)墓石」です。
聞きなれないお墓だと思いますが、お墓を建立したいと考えている方は候補の一つとして覚えておいてはいかがでしょうか。
目次
「丘カロート型墓石」ってどういうお墓?
「丘カロート型墓石」は「丘納骨型墓石」とも呼ばれており、遺骨を納める納骨堂部分が地上に出ているデザインのお墓のことです。
あらかじめ丘カロートと言う納骨堂を作り、その上へ墓石が据え付けられたデザイン。
敷地面積が少ない霊園や寺院墓地で、見かけられることが多いタイプです。
反対に、骨壺を安置している納骨堂が地下に埋まっている形式を「地下カロート」と呼び、香炉の下にある蓋を開ける形式か、香炉や花立の後ろにある空間に骨壺を納めます。
丘カロートは、この地下カロートと同じ開け方もできますが、他にも観音開きや一枚の当て蓋になっているものも。
地下カロートのお墓よりも施工費が安くなることが多く、特に都心部では丘納骨型墓石を選ぶ方が増えてきています。
丘カロート型墓石のメリットって?
・納骨堂部分に水が溜まりにくい
この丘カロート型墓石は、地下水が出るような墓地でも用いられることが多いです。
地下に埋まっている地下カロートは、長年の雨風や地下水によって納骨堂の部分に水が溜まる恐れがあります。
その結果、やがて骨壺内にも浸水して遺骨にカビが発生してしまう原因に。
丘カロート型墓石では、納骨堂が地上にあることから水が溜まる心配がほとんどありません。
・省スペースの区画に建てられる
納骨堂が地上にあることから、地下カロート型よりも省スペースにお墓を建立することができます。
特に区画面積が1平方メートル以下のような狭い墓地に用いられることが多く、墓石全体に高さがあるので、格調高い雰囲気のお墓になります。
このように区画面積が狭いところに建てる場合は、納骨堂の蓋になる石材へ戒名や俗名などを刻んで墓誌として扱う方法も。
また、あえて丘カロート型にしてすっきりとしたデザインにし、空いたスペースへ墓誌やお地蔵さまなどを建てる方もいらっしゃいます。
・2段構造のカロートなら複数のお骨を納められる
全体的に縦に細長いデザインのため、地下カロートと比べて納めることができる骨壺の数は少ないです。
しかし、近年はカロート内仕切りをつけ、縦2段に収納できるタイプもあります。
この2段構造タイプならば、骨壺を4~5個納められるので、省スペースでもご先祖様の遺骨を安置できるので、納骨堂のスペースについてあまり心配する必要がありません。
<まとめ>
丘カロート型墓石は、特に区画が狭い墓地でも建立できるのが魅力です。
機能性に優れ格調高い雰囲気が出るなどさまざまなメリットがあるため、お墓のデザインの候補として覚えておいてみてはいかがでしょうか。
しかし、中には墓地によってお墓のデザインに制限を設けているところもあり、丘カロート型墓石を建立できない場合もあります。
そのため、希望の墓地があったら管理者やお寺の住職の方へ相談をしましょう。