日本では仏教が浸透していますが、もちろん他の宗教を信仰している方も多く、宗教によってお墓の形状も異なります。
その中でもキリスト教のお墓は、仏教のお墓と違い建てる場所に制限があるのをご存知でしょうか?
キリスト教のお墓について
キリスト教は大きく分けてカトリックとプロテスタントの2つがあり、どちらもお墓の形状そのものは細かく定められていません。
ですので、お墓に使う石材にも制限がなく、好きなものを選ぶことができるのです。
日本のお墓ではあまり使われない大理石、赤御影石を使ったものも多く、今はその流れを受けて日本でも光沢のある黒御影石を希望する方が増えてきているとも言われています。
キリスト教のお墓でよくあるデザインは、十字架の他に墓石の前面が斜めになっているオルガン型、墓石が黒板のように横長で垂直になっている平型などがあります。
中には聖書をイメージした本のような彫刻を施したお墓など、建立する方の希望に沿ったさまざまなデザインが作られているのが特徴であり、大きな魅力と言えるでしょう。
キリスト教は芝生にお墓を建てる
お墓のデザインや形状が自由なキリスト教ですが、お墓を建てる場所が土の上ではなく芝生と決められています。
一般的には、教会や教団が所有する墓地にお墓を建立することが多く、カトリックでは納骨堂に遺骨を埋葬することも少なくありません。
しかし、民営や公営の墓地にキリスト教のお墓を建立する際は、芝生があり宗旨を問わない場所を見つける必要があるのです。
そのため、墓地を探す際は宗旨を問わずキリスト教のお墓を建立できるかどうかを、事前に確認しておきましょう。
キリスト教のお墓参りの作法
キリスト教はお墓の前でお祈りを捧げますが、これは故人に対してではなく神に対しての行為です。
また、宗派によって儀式の作法は異なりますが、キリスト教のお墓参りでの作法は大きな決まりがありません。
そのため、流れとしては墓地の掃除、お花を供える、礼拝をするという手順であり、仏教のお墓参りとそこまで違いがないのです。
ただし、お花を供えたあとは手を胸の前で組み、故人ではなく神に対して礼拝を捧げるという点が異なります。
また、服装は黒のワンピースやスーツが基本で、お供えするお花は白が一般的。
故人が好きだった花がなければ、カーネーションなど小さめの白い花をお供えすることが多く、ちょっとした違いがあるので注意しましょう。
<まとめ>
キリスト教のお墓は形状やデザインに制限がなく、故人や遺族の希望とするお墓を建立しやすいです。
しかし、芝生の上など場所の制限はあるため、事前に墓地の管理者へ確認しておくことが墓地選びにおいて欠かせません。
このようにキリスト教だけでなく、宗教が違えばお墓の形が違うことも珍しくないのです。
お墓参りの際は周りのお墓にも目を向け、それぞれのお墓の特徴やオリジナリティを感じてみてはいかがでしょうか。