お墓を新しく建てる際に、向きは○○じゃないと縁起が良くないという話を耳にしたことがありませんか?
たとえば、北枕で眠ることが良くないとされているのは、お釈迦さまが亡くなった際に北のチベット山に頭を向けていたことに由来しています。
このように、お墓を建てる際は古くからの風習に則って建てなければならないイメージがありますよね。
今回は、果たしてお墓を建てる方角はこだわった方がいいのか、どうして向きに良い悪いがあると言われているのかについてご紹介します。
お墓は向きによって災いが起こるって本当?
お墓には立地から色形といったデザインまで、お墓がもたらす吉凶を解く「墓相」という相があります。
そのため、墓相のことを知った方の中にはお墓を建てる向きによって、災いがもたらされてしまうのではないかと心配に思う人もいるでしょう。
しかし、結論から述べるとお墓の向きが、災いの元になるとは言い難いのです。
墓地や霊園を見てみるとわかるように、そのほとんどがお墓同士を背中合わせにする形でずらりと並べられています。
この場合、片方が東、もう片方が西を向いているとすると、墓地にあるお墓のうち半分が良くない方向にお墓を建立したということになりますよね。
お墓の向きは一様であるべきならば、どの墓地や霊園でも全てのお墓が同じ方角を向いて建立する必要があります。
実際、仏教的な意味でもお墓の向きを指定するような決まりはないのです。
どうして西向きはよくないと言われているの?
方角の中でも、特に言われているのが「西向き」にするべきかどうかという点。
仏教では「西方浄土」という教えがあり、仏様は西方にいらっしゃると考えられています。
そのため、西向きにせずお墓を東に向けるという考え方は、お墓を東向きに立ててご先祖様がいる浄土の方へ手を合わせましょうという理由から来ているのです。
また、逆に西向きに建てるのは、西方浄土だからお墓を西の方に向けて、極楽浄土へ迷わず旅立っていってほしいからという考え方。
このように、西向きにするかどうかひとつとっても、様々な考え方があるため、必ずしもお墓を○○向きに建てなければならないという決まりはないのです。
人気なのは日当たりの良い東~南向き
宗教というよりもお墓を建てる向きで人気なのは、東から南向きです。
これは日中の日当たりがよく、雨に濡れても日光によって水はけが良いことから、湿気の少ない環境にお墓を建てられるということになります。
しかし、必ずしも東~南が良いというわけではなく、風通しが良くて日が当たりやすい場所であれば、どの方角へ向けてお墓を建てても問題ありません。
そのためお墓を建てる際は、お墓がどちらに向いてしまうかよりも、お墓にとって日当たりが良い環境であるかどうかを重要視しましょう。
<まとめ>
お墓を新しく建てる際は、少しでも良いお墓にしようと本を読んだりインターネットで情報を集めたりして、ちょっとしたことが気がかりになってしまうこともあります。
疑問点があったら、心から納得のいくお墓づくりができるよう、信頼できる石材店や住職の方などの専門家に相談をして不安を解消していきましょう。