お墓に埋葬されているご先祖様の戒名や享年などを刻むのが墓誌です。
菩提寺にある過去帳だけでなく、墓誌を建てればお墓のそばにもご先祖様の記録をしっかりと残しておくことができます。
しかし、お墓に埋葬されるご先祖様の数が多くなれば、やがて墓誌に戒名を刻むスペースがなくなってしまいます。
今回は墓誌が戒名でいっぱいになったとき、どうすればいいのかについてご説明いたします。
墓誌を裏返して使う
墓誌は両面に戒名を刻むこともできるので、表側が彫刻でいっぱいになったら裏返して彫刻し続ける方法があります。
特に都会は墓所が狭く墓誌自体もコンパクトなタイプが人気ですので、大きな墓誌よりも比較的早く彫刻スペースがなくなってしまいます。
そんなときは、既存の墓誌の裏側へ続けて戒名を彫刻していくと、表と同人数のご先祖様の戒名を刻むことができますよ。
墓誌の両面ともスペースがなくなったら?
お墓は長年に渡って受け継がれていくものですので、いずれ裏側も彫刻でいっぱいになることがあります。
その場合は、次の2つの方法で故人の名前を新しく彫刻していきましょう。
・墓誌を新しく作成する
スペースがまだあれば、新しく墓誌を作成してお墓に設置する方法があります。
墓誌を3枚備えているような、何代にも渡って受け継がれてきた歴史を持つお墓もありますよ。
墓誌の作成は石材店へ依頼して新しく設置しますが、費用は選ぶ石材によって異なり、最低でも10~30万円ほどを見ておくと良いでしょう。
ちなみにお墓が狭く、墓誌を設置するスペースがないときは縦型の墓誌がおすすめ。
従来の横型とくらべて省スペースで設置できるので、狭いお墓でも置くことができますよ。
・33回忌を過ぎたご先祖様はまとめて彫刻する
2枚分の墓誌を設置するのが難しいのであれば、33回忌を過ぎたご先祖様たちをまとめるという方法も。
33回忌を過ぎたご先祖様たちをまとめて「先祖代々之霊」として墓誌に彫刻し、それよりも後に亡くなられた方々の戒名を彫ります。
墓誌は石ですので一旦彫刻したものでも、表面を削って磨けば新しく戒名を彫っていくこともできます。
1枚の墓誌でも彫刻するスペースをまた新たに作ることができるので、お墓が狭く墓誌を複数枚設置できない方におすすめです。
<まとめ>
お墓の墓誌は、私たちに命をつないできたご先祖様の存在を知ることのできるとても大切なもの。
しかし、墓誌のスペースは限られているので、やがて彫刻する場所がなくなったら何らかの方法で、彫るためのスペースを新しく作る必要があります。
まずは表が埋まったらひっくり返して裏に彫刻していき、それも埋まったら新しく彫刻し直すか墓誌を追加するなど、時代と環境に合った方法で墓誌の工事を依頼しましょう。