お墓と言えば、正面に「◯◯家」とだけ彫刻するのが従来のイメージ。
しかし、時代が変わればお墓も変わります。「◯◯家」と彫刻されないお墓も増えてきています。同じように、従来のイメージである「和型」のお墓が少なくなってきています。墓石の形状と彫刻の関係についてご紹介します。
墓石の形状
従来の縦長のお墓を「和型」と言います。最近よく見かける背の低いタイプのお墓や、横型のお墓は「洋型」と言います。現在、「洋型」のお墓が増えてきています。地域によって差はあると思いますが、宮城県では圧倒的に「洋型」のお墓を建てる方が多いです。縦長より、洋型の方が倒れにくいイメージがあり、震災以降急激に増えました。
洋型の形状では、墓石に花や風景の彫刻を入れやすいため、大きく「◯◯家」と刻む方が少なくなりました。また、彫刻を優先し「◯◯家」自体刻まないお墓も増えました。
洋型の墓石が増えるにつれ、墓石の形状もデザイン重視になってきました。中には、デザインを優先することで、彫刻するスペースや、特殊な形状で彫刻ができないというお墓もあります。
彫刻にも流行りがある
墓石の形状が変わるにつれ、「◯◯家」と彫刻する代わりに、好きな文字や言葉を刻む方が多くなりました。「和」、「心」、「愛」、「偲」、「ありがとう」、「やすらぎ」などと刻まれることが多いですが、震災後は「絆」が流行しました。
彫刻する内容もさまざまで、歌の歌詞やタイトルを刻む方もいます。また、花の彫刻で人気なのは桜やバラの彫刻です。
影彫りという彫刻では、ほぼ写真と同じように風景や人などを彫る事が出来ます。写真をお持ち頂ければ、ほぼそのままを墓石に刻むことができます。
どんな彫刻をするかで、お墓のイメージは大きく変わりますので、今のお墓造りでは彫刻が重要なポイントの1つとなっています。
両家墓
両家墓とは、二つの家族を一つのお墓に祀ったものをいいます。一人娘の結婚や長男、長女同士の結婚といった事情から建てられるようになりました。墓石には両家の姓が刻まれるのが一般的ですが、姓を刻まないお墓もあります。どの家族のお墓かは、法名碑などで確認できますので、あえて姓を刻まなくても良いという方もいます。
姓を刻まない理由に、「見た目」もあります。墓石にそれぞれの姓を刻むことで、文字数が多くなり見た目のバランスが好みではないという方もいます。
<まとめ>
「◯◯家」と刻まないお墓もある。
その時どきで彫刻にも流行りがある。
彫刻はお墓のイメージを決める。