これまで長い間、お墓は石を材料にして造られてきました。
しかし、お墓のデザインや形状が多様化している今では、石だけでなくガラスでできたガラス墓が注目を集めています。
ガラスでできたお墓と聞くと、すぐに割れて壊れてしまうのではないかと、心配に思う方もいらっしゃるでしょう。
実はガラス墓ですが、石よりも強度があるため自由度の高いデザインが可能なのです。
「ガラス墓」ってどんなお墓?
一般的な和型墓石だけでなく、お墓を建立する方の希望に沿ったデザイン墓石が建てられるようになったのは1980年代の頃でした。
それ以降、さまざまなデザインのお墓が建立されてきましたが、御影石だけでは希望のイメージにならない、個性が生まれないという意見を受けて誕生したのがガラス製のお墓。
お墓を建立する際は、亡くなられた方やご先祖様への感謝の気持ちをデザインに表したいと考える方が多いです。
たとえば、かつて故人が好きだったものをそのまま形にしたい、御影石では再現しにくいカラーを使いたいなどの希望にも応えられるのがガラス墓なのです。
太陽などの光を浴びて、墓石自体がキラキラと輝きを放つその姿はまさに本物の宝石のような姿。
ガラスを加工するためデザインも自由自在で、故人への想いをそのまま形にできるのが魅力です。
ガラス墓は御影石と変わらない耐久性を持つ
ガラスでできたお墓と聞くと、衝撃に弱く割れてしまうのではないかと不安を覚える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、お墓に使用される御影石自体も、実は成分のうち8割以上がガラスの元である珪石でできています。
そのため、ガラス墓も御影石と同等の強度を誇っており、何十年何百年にも渡って輝きを放ち続けることができるのです。
さらに、ガラスはもともと分子構造が非常に硬く、石よりも吸水がしないという特性も。
御影石と似た性質を持っているので、石と組み合わせてお墓を造ればデザインの幅も大きく広がります。
特別なメンテナンスの必要もありません
ガラス墓は、特別なメンテナンスが必要ないのも大きな魅力と言えるでしょう。
雨風によって表面が汚れたら、通常の窓ガラスの掃除と同じく布や柔らかいブラシを使って洗うお手入れ方法で問題ありません。
しつこい汚れには石けんや中性洗剤を使えば、ほとんどがきれいに落とすことができるため掃除も比較的簡単です。
むしろ御影石よりも水を吸わないことから、何百年にも渡って風化がほとんどなくメンテナンス自体が楽というのもガラス墓の特徴なのです。
<まとめ>
ただし、墓地によってはガラス墓の建立を制限している可能性もあるため、事前にその墓地の管理者に相談をしておくのがおすすめ。
また、メインを御影石にし、一部にガラスを使うデザインも可能ですので、興味のある方はガラス墓を取り扱っている石材店に相談をしてみてはいかがでしょうか。