外に建てられているお墓は常に自然環境にさらされています。
だからこそ、気温が下がる冬になると花立の中に残った水が凍りついてしまうこともあります。
花立の氷をそのままにしておくと、最悪花立にヒビや割れが起きる原因になるのです。
今回は、もし花立が凍ってしまったらどのように対処するべきなのか、また氷を作らないための対処法もご紹介します。
古いお墓の花立は水抜き穴がないものが多い
古いお墓の花立は、石塔部分と同じ石材を削って作られているものが多いです。
この部分に残っていた水が凍ってしまうと、お墓参りをしたときにお花をお供えすることもできませんし、氷の影響で花立にヒビ割れが起きる原因になります。
そんな花立の水の凍結を防ぐのに有効なのが、専用の水抜き穴を開けることです。
水抜き穴とは花立の側面に穴を開けることで、花立の水を石が吸い込む前に外に排出ができる仕組み。
反対に水抜き穴がないと、花立の中に残っていた氷が膨張し、さらに石が吸い込んだ水も凍結してしまい、石が耐え切れなくなって破損してしまうのです。
水抜き穴があれば水が花立に溜まらずに流れていきますし、花立と一緒にステンレス製の花筒を設置すれば、簡単に水を捨てることができますよ。
夏場に水が腐ることによる異臭が気にならなくなるなど、ほかにもたくさんのメリットがあるのでぜひ花立に水抜き穴を開けるリフォームをしてみてはいかがでしょうか?
花立の中の氷を出すときの注意点
もし花立の水が凍ってしまっていたら、どうやって氷を取り出せばいいのでしょうか?
花立の中に棒を入れて氷を削ろうとする方もいますが、石材にぶつかるとお墓に傷がついてしまいます。
ステンレス製の花筒がある場合は、取り出して水をかけながら逆さにすることで、氷がするりと取れることもありますよ。
また、花筒がない花立の場合は氷が少しでも早く溶けるように、塩をかけるのもおすすめです。
氷が水に戻っていくには、周りの空気などの熱を奪っていく必要があります。
実は塩が水に溶ける時も、氷と同じように周りの熱を吸収する性質を持っているため、この2つが合わさることで急激に温度が低下し、溶解熱が起きて早く氷を溶かすことができますよ。
まずは花立の劣化が進まないように、無理に氷を取り出そうとしないことと水抜き穴を開けることがポイントです。
どうしても氷が溶けないときは、花立にいれずにお花をそばに置くことも可能です。
<まとめ>
古いお墓は花立に水抜き穴が用意されておらず、水がそのまま残って冬になると凍結してしまう原因になります。
そんなときは無理に氷を取り出そうとしないで、お花をお墓のそばに置く形でも問題ございません。
また、塩を使うことで早く氷を溶かす効果がありますよ。
水抜き穴は古いお墓でもリフォームして開けることができるので、冬の凍結を防ぐためにも早めに工事をすることをおすすめいたします。