現在では、お墓を希望のデザインにして、故人やご先祖様への供養の想いを目で見える形にするのが一般的になりつつあります。
中には、オプションとしてお墓に故人が好きだった言葉や、ものを彫刻する方もいらっしゃいますが、彫刻方法にはいくつか種類があるのをご存知でしょうか?
今回は、特にお墓にイラストを彫刻したい方におすすめの「象嵌(ぞうがん)」をご紹介したいと思います。
象嵌(ぞうがん)ってどういうもの?
象嵌はお墓を削って彫刻するのではなく、メインで使われる石とは別の種類の石をはめて、文字やイラストなどを表現する加工技術の一つです。
非常に色味がはっきりして鮮やかになりますので、文字はもちろんイラストを入れるのに向いている加工法と言えるでしょう。
細かく石を組み合わせるので複数のカラーを使って、イラストを描きたいという方にもおすすめです。
象嵌を使ったデザイン墓石にすることで、故人がかつて好きだったお花や趣味に関するものなどを墓石に描くことで感謝の気持ちを表現できます。
また、他のお墓にはないオリジナリティあふれるデザインにしたい方にも人気が高く、お墓自体が一つの美術作品のような華やかな印象になりますよ。
象嵌加工をするメリットは?
・立体的な文字やイラストに仕上がる
象嵌加工をすることの最大のメリットは、一見彫刻に見えないような平らな表面にできるという点。
もともとのメインの石を削る場合は表面に凹みが生まれますが、象嵌加工は別途他の石をはめ込むため文字やイラストを入れた場所も周囲の墓石と高さの違いがありません。
一見ペイントされたようなその見た目は、発色が豊かでとても美しいのが特徴です。
・掃除が楽になる
通常の彫刻ですと、掘った部分が凹むためその部分に汚れやゴミが溜まりやすくなります。
象嵌加工にすることで、凹凸がほとんどなくゴミが溜まりにくいので、お墓参りの際の掃除が楽なのも魅力と言えるでしょう。
・経年による色落ちがほとんど見られない
象嵌加工は石そのもののカラーを活かして、土台の石を繋ぎ合わせてイラストを再現しています。
つまり、加工部分に色を塗っていないので、雨風などの過酷な環境にさらされても色落ちがないということ。
加工部分が削られても、石自体がそのカラーなので色あせることがなく何十年経っても鮮やかな加工を楽しむことが可能なのです。
<まとめ>
石それぞれの色合いを活かした象嵌加工は、今や多くの石材店が採用している加工技術です。
色落ちがない象嵌加工は、ご先祖様や故人への感謝や供養の気持ちが長年に渡って受け継がれていくのが支持されている理由の一つです。
自分が描いたイラストを加工することも可能ですので、興味のある方は石材店へ相談してみてはいかがでしょうか。