日本は世界的にも地震の数が多い国で「地震大国」として知られています。
お墓も建物と同じく、地震の際に倒壊や亀裂などのリスクがあるため、できるだけ耐震施工をしておくことが大切なのです。
しかし、耐震のために新しくお墓を建てるにはお金も時間もかかってしまいます。
今あるお墓をそのまま耐震仕様にするにはどんな工事方法があるのでしょうか?
今回は、現在建てられているお墓を耐震仕様にするための工事方法を2つご紹介します。
部材間にボルトを入れて補強する
墓石は上から竿石、中台、上台などそれぞれのパーツを接合してできています。
そのため地震が起きると、部材ごとでずれが生じたり亀裂が入ったりする危険性が考えられるのです。
大きな地震であれば最悪お墓が倒壊する可能性もあるので、これを防ぐために墓石の中に空洞を空けてそこに棒を通してボルトで固定をする耐震工事があります。
部材同士をボルトでつなぐので、万が一大きな地震がやってきても、たとえば竿石部分だけが倒れるリスクを軽減できるのです。
ちなみに石材によって伸縮性が異なり、しっかりと固定してしまうか、揺れを吸収する免震構造にするかは石材店によって違いがあるので、工事を依頼する際は使用している石材の種類を伝えた上で方法を確認してみましょう。
基礎(土台)から補強する
古いお墓は基礎工事が今とは違って、コンクリートなどが使われておらず地盤のゆるみの影響を受ける可能性があります。
その場合はまずお墓を一度撤去して、基礎の土台部分から補強をすることで耐震性を大幅に高めることができますよ。
地盤部分に支持杭を打ち込んで、その上から鉄筋コンクリートの土台を作っていきます。
この方法は通常の建物にも使われる工法で、大掛かりな工事になりますが非常に耐震効果に優れています。
どれだけ墓石自体を補強しても、やはり基礎コンクリートや外柵などの下層部分が弱いと、お墓が倒壊する危険性が高くなってしまいます。
古くなったお墓にこそ、この基礎の部分から補強工事を行いましょう。
コーキングも定期的にメンテナンスしよう
地震に負けないお墓にするためには、工事だけでなく定期的なメンテナンスも必要です。
特にお墓のパーツをつなぎ合わせている目地の部分は、劣化が進みやすく地震の影響を受けやすいです。
目地をつないでいるコーキングがひび割れていると、そこから雨水が侵入して墓石自体も劣化していきますし、地震の際にパーツの途中から倒壊するリスクが高まります。
そのため、お墓のコーキングは最低でも10年に一度は補修をしましょう。
自分でも目地のコーキングは可能ですが、やはり素人だとどうしてもコーキングに隙間ができることもあります。
お墓を長持ちさせるためにも、コーキングの補修は専門の石材店に依頼することをおすすめいたします。
<まとめ>
古いお墓は現在のお墓とくらべて耐震性があまりありません。
しかし、新しくお墓を建てるのではなく今あるお墓をできるだけ長持ちさせたいと考える方もいらっしゃるかと思います。
そんなときは今あるお墓にボルトを固定したり、基礎の部分を補強したりして耐震性を高めていきましょう。
また、新しいお墓でもコーキング部分は劣化しやすいので、定期的なメンテナンスを行うことが重要です。