亡くなられた方の骨上げが終わったら、そのままお墓に納骨をする地域もあれば自宅に持ち帰って還骨法要を行うところもあります。
今回は還骨法要とはどんなものなのか、具体的にどんなことをするのか、くわしくご紹介いたします。
還骨法要(かんこつほうよう)とは?
還骨法要(かんこつほうよう)とは火葬が終わり骨上げをした後に、再び葬儀会場や自宅、お寺などに戻ってお骨を供養する法要です。
地域や宗派によっては「還骨勤行(かんこつごんぎょう)」、「安位諷経(あんいふぎん)」と呼ばれることもあります。
かつては骨上げ後の法要を自宅で行うことが多かったことから「亡くなられた方が家に還る」という意味が込められ還骨法要と呼ばれているのです。
還骨供養の手順は?
宗教や地域によって多少違いはありますが、基本的な流れは次のようになります。
①斎場や自宅に戻った後にお清めをする
まず、お骨と一緒に斎場や自宅に戻ったら、入り口にある塩と水でお清めを行います。
宗派によってお清めをしないこともあれば、家族だからお清めをしないという方もいらっしゃいます。
②祭壇を用意する
還骨法要では「後飾り祭壇」が必要になります。
これは仏教の葬儀において、四十九日までの中陰の時期に、亡くなられた方のお骨や位牌を仏壇に収めてはならないことになっているのです。
そのため、仏壇ではなく後飾り祭壇を用意して、そこにお骨と位牌、遺影を安置するのが一般的。
ただし、斎場で還骨法要を行う場合はスタッフが後飾り祭壇を用意してくれるため、この場合はお骨や位牌などをスタッフに渡して安置してもらいます。
③僧侶による読経や焼香
祭壇が整い開始時刻となったら、僧侶による読経を拝聴して焼香を行います。
④初七日法要を繰り上げて行う
最近では還骨法要と一緒に、遺族の負担を減らすために初七日法要を繰上げて行うところも増えてきました。
⑤精進落とし
全ての法要が済んだら、葬儀の会食である精進落としが行われることが多いです。
これは僧侶や葬儀でお世話になった方々を招いて、お礼とねぎらいのために行われる食事会のこと。
食事を楽しみながら、遺族や友人・知人などが介して故人との思い出話に華を咲かせる機会でもあります。
ちなみに、現在は仕出し弁当を手配する形が一般的で、参加できない方は料理を持ち帰ることが可能です。
<まとめ>
地域によっては還骨法要を行わず、火葬後すぐにお墓に埋葬するところもあります。
還骨法要はお骨になった故人が納骨までの間、自宅で過ごす最後の期間。
そのため、自宅で行う場合は滞りがないよう、祭壇の作り方などを僧侶や葬儀社の方に確認しておくのがおすすめです。
また、このときに早めに四十九日について僧侶の方とスケジュールについて相談しておくと、後ほど希望日の予約がとれないといったトラブルを防ぐことができます。