終活ブームが起きる中で、近年生きているうちに自分のお墓を建立する方が増えてきています。
これを「寿陵(じゅりょう)」と言い、特に民間霊園ではたくさんの方が生前にお墓を建立しているのです。
目次
「寿陵(じゅりょう)」について
寿陵(じゅりょう)は生前墓とも呼ばれており、自分自身の墓を生前に建てておくことを言います。
生きている間に死後のための準備を進めるというのは、いまいちピンとこない方や抵抗を感じる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、寿陵はもともと「長寿」、「家庭円満」、そして「子孫繁栄」の果報を招くと考えられており、とても縁起の良い行いなのです。
寿陵の歴史は非常に古く、泰の始皇帝や厩戸王(聖徳太子)のお墓、さらにはエジプトのピラミッドも寿陵で建設されました。
仏教では、生前にお墓や位牌を用意しておいて冥福を祈ることは、功徳を積むことと考えられています。
終活ブームに合わせて、現代でもこの寿陵を建てるという考え方が広く見直され、日本人の間で密かに広まってきているのです。
寿陵を建てるメリットって?
・予算に合わせた自分好みのデザインのお墓にできる
自身が亡くなってからお墓を作るとなると、デザインなどに意見を出すことはできませんよね。
そこで、寿陵なら初めからデザインや石材を選ぶことができ、自分の理想のお墓に造り上げることができるのです。
また、デザインだけでなく、死後に残された家族にお墓の費用で迷惑をかけたくないという考えから、自分の資産で寿陵としてお墓を建てる方も増えてきています。
・墓地不足になる前にお墓を建てられる
近年、特に都心部では墓地不足が深刻な問題になっています。
そのため、新しく霊園ができても交通の便が良いところや、自然豊かで環境が良いところなどはすぐに完売することも少なくありません。
生前のうちに自分が眠りたい墓地を購入しておけば、死後に墓地が見つからずに埋葬までに時間がかかってしまうというリスクがなくなるのです。
・死後について事前に家族と相談ができる
自分自身のお墓について、将来残される家族とじっくりと話し合う機会を設けられるのも、寿陵のメリットの一つ。
埋葬の仕方やお墓の後継者など、自身の死後に決めることはたくさんあります。
しかし、これらの死後の問題を生前に話し合っておくことで、実際に亡くなった後遺族が慌てずに、落ち着いて故人への最後のお別れを進められます。
<まとめ>
このように、寿陵はもともと3つの徳がある縁起の良いものです。
後継者がおらず墓じまいをする家系も少なくない中で、自身の死後について事前に決めておくことは、遺族の負担を減らしてトラブル防止につながります。
また、各界の有名人も寿陵を選択する方が増えてきており、改めてその魅力が見直されてきているのです。