4年に一度やってくる、うるう年は1年間が366日ある年です。
実はこのうるう年に、お墓を作っていけないと言われていることをご存知ですか?
急ぎの理由があって、うるう年の期間にお墓を建てたい人にとっては非常に悩んでしまう問題ですよね。
どうしてうるう年にお墓を建ててはいけないのか、その真相についてご紹介します。
うるう年にお墓を建てられないのはどうして?
うるう年は漢字で書くと「閏年」となります。
暦の上では閏ではない年のことを平年と呼んでいます。
現在のうるう年は、365日に1日を追加した366日ですが、江戸時代の旧暦(太陰暦)では1か月多い13か月になっていました。
しかし、当時は武士のお給料を米単位の石高制、つまり年払いにしていたため、うるう年は平年と同じお給料で13か月間生活しなくてはならかったのです。
その分お金を残しておくために、藩主は家臣へうるう年はお金がかかる仏壇の新調やお墓の建立を見合わせるよう指示を出しました。
この言い伝えが現在まで残り、今でもうるう年にお墓を建立するのは良くないこととされているのです。
さらに、月が重なるうるう年は、悪いことがあると重なって起きてしまうのではないか、という考えもありました。
そのため、お墓=死者として死に結びついてしまうお墓の建立を、当時から控えるようになったという説もあるのです。
現在はうるう年にお墓を建てても問題はない
つまり、うるう年にお墓を建ててはいけないというのは、武士が家計を守るために藩主が家臣へ指示を出したのがきっかけ。
その後、武家だけでなく町民や農民にもこの話が伝わっていき、うるう年にはお墓やお仏壇を購入するのはもちろん、法事を行うのも控えるべきと広がっていったのです。
現在、うるう年は365日よりも1日長くなった366日となり、お給料は年払いではなく月給制になっているところがほとんどです。
そのため、うるう年の年間収入が平年と同じでも、家計に影響を及ぼすことはほぼありません。
宗教的な意味合いは持ち合わせていないため、うるう年にお墓を新しく建てたり、お仏壇を新調したりするのを控える必要はないのです。
ただし、西日本や東北の一部ではうるう年にお墓を建立するのはよくない、という風習が残っている地域もあります。
ですので、うるう年にお墓を新しく建てる際は、問題がないかどうかあらかじめ寺院や石材店に相談をしておけば不安は解消されるでしょう。
<まとめ>
うるう年にお墓を建ててはいけないという話は、江戸時代の質素倹約の考えから生まれた教えのようなもの。
お墓は埋葬する故人を想い、ベストと思えるタイミングに建立して、供養を行うのが大切です。
そのためご遺族が心からの供養ができるよう、お墓に関する不安なことは石材店などの専門家に相談をして、しっかりと不安を取り除いておきましょう。