近年、終活ブームが起きている中で、自分が死後に眠るお墓を生前に建立する方も増えてきました。
しかし、実は生前にお墓を建てるのは古くから行われていることであり、「寿陵(じゅりょう)」というお祝い事でもあるのです。
もし、このように父や兄弟などの親類が生前にお墓を建てた場合は、他の家族はどんなことをすればいいのでしょうか?
そもそも寿陵とは?
寿陵(じゅりょう)は、生前の間に自分が死後埋葬されるお墓を建立することです。
日本では、古くから死を穢れとしてタブー視している部分があり、生前のうちにお墓を用意するのは縁起が悪いと思っている方も多いです。
しかし、寿陵は中国が長寿を願って行う風習が日本にやってきたもので、「長寿」「子孫繁栄」「家庭円満」という非常に縁起の良いもの。
実際、寿陵をしている有名人や著名人は多く、一般人でも終活として遺族に負担をかけないため、生前のお墓を用意する方が増えてきているのです。
親類が生前にお墓を建てたらお祝いを用意しよう
寿陵墓が完成したら、墓石に魂を入れるため入魂式や開眼法要を行うことがほとんどです。
このようにお墓に魂入れをすることで、初めてご先祖様や故人の魂を迎え入れることができると考えられているのです。
親類は開眼法要に招かれた際に、おめでたいこととしてお祝いの気持ちをお包みして渡すのがマナー。
このとき、法要では不祝儀袋を用意して「志」と表書きしたものを用意しますが、寿陵の場合はお祝い事ですので祝儀袋を使用します。
一般的には紅白の蝶結びの水引の祝儀袋を使用しますが、他にも白無地の封筒でもかまいません。
表書きには「建立祝」と書いて、気持ちをお包みしましょう。
開眼供養での香典の渡し方は?
開眼法要はお祝い事ですので、香典を渡す際は主催する方に対して「おめでとうございます」と挨拶をしましょう。
ただし、このときに四十九日法要などの納骨と一緒に行う場合も多いため、同時に行うときはおめでたいなどの旨の言葉は口にしないよう注意してください。
お祝い事ですが、読経を行いますので数珠を持参するもの忘れないでおきたいですね。
数珠は自分の宗派のもので問題ありません。
また、法要の服装は略礼服が一般的ですが、平服の場合もありますので事前に、主催側に確認しておくのをおすすめいたします。
<まとめ>
生前にお墓を建てて、開眼を行うことはとても縁起の良いことです。
このように、寿陵墓の完成のお祝いを行うことで家族や友人などが集まり、改めて絆が生まれるきっかけにもしていたとされています。
近年終活を行う方が増えてきたことで、親や兄弟が寿陵墓を建てる可能性も高くなってきました。
その際に、どんな用意すればいいのか悩まないようマナーを知っておきたいですね。