お墓はいくつかのパーツで構成されていますが、その中に蓮華台という部位をつけたお墓があります。
この蓮華というのは、仏教に深い関わりを持つ花として古くからお墓に使われているのです。
今回は、どうして蓮華がお墓と関係しているのか、その理由について詳しくご紹介いたします。
蓮華台ってどんなもの?
蓮華台は、「○○家之墓」などの彫刻がされている竿石の下にあるパーツ。
その名の通り蓮の花の形を模した台座になっており、仏式のお墓に使われていることが多いです。
古くから、この蓮華台は亡くなられた方が極楽で幸せに過ごせますようにとの願いを込めて取り付けたのが起源であり、現在も和型墓石を中心に洋型墓石、デザイン墓石にも使われています。
今となっては、お墓の石を機械で切断や加工を行う時代になりましたが、このような機械がない時代でもご先祖様はノミなどの道具で削って作っていました。
どうして蓮華がお墓に使われているの?
古くからインドでは、蓮を多産、命を創造するもの、繁栄、豊穣などのめでたいことの象徴として扱われていた花でした。
仏教でも蓮華は、お釈迦さまが誕生したのに合わせて咲いた花という逸話が残されています。
蓮華は泥がある池でもしっかりと根を張り、泥にまみれず美しく咲く花であることから、「どんなことがあっても汚れた世界に染まることがない」という悟りの世界の象徴。
この蓮華の上に乗って瞑想している=悟りを開いたことの証として、仏様や菩薩様が描かれた仏教絵画や仏像では、その多くが蓮華に乗る姿で造られています。
つまり、極楽浄土の象徴である蓮華台をお墓の飾りにも使うことで、故人やご先祖様が成仏したことを表しているのです。
シンプルなスリンを選ぶのもおすすめ
一口に蓮華台と言っても、具体的に細かいデザインが決まっているわけではありません。
一つひとつの花びらの形や枚数も自由で、好きなデザインが選べるためお墓に個性を出すことができるのが魅力です。
しかし、蓮華台よりもシンプルにしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが「スリン」です。
このスリンは蓮華台を簡略化したもので、竿石の台として四角くデザイン性のある石です。
地域によっては座布団と呼ばれており、蓮華台よりもすっきりとシンプルな印象のお墓に仕上がります。
<まとめ>
仏様や菩薩様がお立ちになっていた蓮華は、故人やご先祖様の極楽往生を願って、古くからお墓にもつけられてきました。
デザイン性に優れている以外にも、このように亡くなられた方の成仏の証という意味も込められたパーツですので、お墓の建立を考えている方は蓮華台の設置を考えてみてはいかがでしょうか。