お墓の付属品の中には、仏花を立てる花立やお線香をお供えする香炉など色々なものがあります。
その他にも水鉢(みずばち)というものがあり、お墓の建立を検討している方にぜひおすすめしたい付属品なのです。
今回は、どうしてお墓に水鉢を設置するのか、その理由についてご紹介します。
水鉢(みずばち)とは?
水鉢とは、その名の通り水を入れてお墓にお供えするための付属品。
基本的にお墓の花立同士の間にあり、楕円形にくぼんだ場所へ水を入れておく形状になっています。
仏さまはお線香などのお香や水が好物で、お墓参りではお線香とお花、そして水をお供えして供養をするのです。
他にも水はあの世とこの世をつないで、ご先祖様の姿を映し出す鏡の役割もあるとの説も。
つまり、水鉢はご先祖様の喉の渇きを癒すのが目的の他、お墓参りにきた私たちの姿をあの世で見てもらうために水鉢が設置されるのです。
ちなみに、神道と浄土真宗はお墓に水鉢を使用していません。
神道では水鉢がない代わりに、お供え物を置くための供物石が設置されていることが多いです。
また、デザインの関係で水鉢を設置しない方もいるので、必ず水鉢を設置しなければならないわけではありません。
その場合は湯呑みなどをお墓に置いておき、そこにきれいな水を入れるという方法もあります。
水鉢の使い方は?
現在、水鉢のデザインの多くは台石を彫ってくぼみを作っており、深さが3~5㎝ほどの浅い構造になっているものが多いです。
そのため、よくお墓の付属品をご存じない方だと、水を入れる場所に見えずお菓子やペットボトルの飲み物などお供え物を置いている場合もあります。
ここは本来、お墓参りの際にきれいな水を入れておくのが正しい使い方ですので、お供え物は別の場所に置きましょう。
ただし、水を入れっぱなしにするので、水鉢の付近には水アカが発生しやすいという問題もあります。
そのため、お墓参りに来た際は必ず水鉢の中の汚れをきれいに取り除き、また新しい水をお供えするのを忘れないでください。
水鉢に水以外のものを入れるのはNG
水鉢に故人が好きだったジュースやお酒をお供えする方もいらっしゃいますが、水以外のものを入れておくのはお墓の劣化を進める原因になります。
石は天然物であり、表面には細かい穴が無数に空いているのです。
この穴に水以外のジュースの水分、アルコールがしみることで変色を起こしたり黒ずみが残ってしまったりする元に。
そのため、水鉢には水だけをお供えし、ジュースやお酒はペットボトルや瓶の状態でお供えしましょう。
また、お墓参りが終わったらお酒やジュースは持ち帰り、自宅に帰ってからご先祖様への供養として皆でいただくようにしたいですね。
<まとめ>
近年和型墓石だけでなく、さまざまなデザイン墓石が出てきたことから水鉢を設置していないお墓も多くなってきました。
水鉢でなくとも、ご先祖様の喉の渇きを癒せるようコップや湯呑みを置くという方法もありますので、お墓のデザインに合わせた方法で水をお供えしましょう。