お墓と言えば長方形に石を切り出した和型や洋型が一般的ですが、中には自然の石の風合いをそのまま活かした「自然石」を希望される方もいらっしゃいます。
しかし、自然石はメリットもあればデメリットもあり、一般的なお墓と費用も異なります。
今回は、自然石のお墓とはどんなものなのか、またメリットやデメリットなどについて、くわしくご説明いたします。
目次
自然石のお墓とは?
はるか昔から、石は亡くなられた方の埋葬場所を記すものとして使われてきました。
もちろん当時は今ほど石の加工技術が進んでおらず、自然に存在する石を削らずにそのまま設置するスタイルでした。
そんな昔のお墓と同様に、自然の石の形をそのまま墓石として使っているのが自然石のお墓。
産出された石のそのままの形を活かしたお墓で、一面だけを水平に加工して「○○家之墓」などの彫刻を施したデザインです。
今は長方形に加工したお墓が主流になっている中で、あえて自然の石の風合いをそのまま活かした、自然石の墓石を希望される方もいらっしゃいます。
自然石のお墓にするメリットやデメリット
○メリット
・石ならではの風合いが楽しめる
自然石のお墓のメリットは、何といってもその石が持つ本来の風合いや色合いを存分に楽しめること。
彫刻を施す一面だけは削って光沢を出しますが、それ以外の部分は削らずに元の石そのままの形でお墓に設置するため、石が持つ野性味や自然の色合いをいつでも感じることができます。
また、加工している石よりも経年変化が起こりやすく、加工していない石ならではの変化を楽しめるのも自然石の魅力と言えるでしょう。
・世界で1つだけのオリジナリティのあるお墓になる
自然石のお墓はその形状が、世界でただ1つだけのものになります。
四角に加工する一般的なお墓と違って、形がある程度整っている原石を探して石塔にするため、全く同じ形状の石は2つとありません。
自然石を使ったものは記念碑では割と見かけることがありますが、お墓では珍しくそれだけでも周囲の目を引きます。
世界で1つだけのオリジナリティ溢れるお墓にしたい方にも人気です。
自然石にするデメリット
・耐久性が落ちることがある
自然石は加工した石と違って、もともとの形状をそのまま石塔として使用します。
そのため、石のバランスが悪く長方形の石よりも耐久性がやや劣ることがあります。
地震などの災害時のときに、石塔にヒビが入ったり倒壊したりすると、周囲のお墓を巻き込んで大きな事故につながることも。
自然石を選ぶ際は、見た目だけでなくしっかりとした耐久力のあるものを選び、耐震仕様にすることが大切です。
・墓石の加工料が高くなる
通常のお墓とくらべて、墓石にかかる費用も高くなります。
まず石塔に使う石の形から選び出すための手間や、高度な加工技術が必要になるので、和型墓石や洋型墓石とくらべて倍近くの費用が必要になることも。
使用される石材によってもお墓の料金は違いがありますが、石塔だけで平均100万円以上の費用を見ておくと良いでしょう。
特に人気の高級国産石になると、200万円以上のお墓も存在します。
<まとめ>
石本来の力強さを感じられる自然石のお墓は、独特の風合いを長年に渡って楽しむことができます。
費用はお墓に使う石の種類や石材店によって違うため、まずは石材店へどんな石材で自然石のお墓を作りたいのか相談してみましょう。