パソコンやスマホなど、現代にインターネットは生活の一部になっています。
そんな中、新しい供養の形として登場したのが「ネット墓」です。
今回は、ネット墓とは何なのか、またどんなメリットがあるのかについてご説明いたします。
ネット墓とは?
ネット墓(ネット墓地)とは、インターネット経由で実際の墓地へのお参りができるサービスのこと。
お墓自体は墓地に存在していますが、その場所まで足を運ばずともパソコンやスマホの画面を通して、離れたところでもお参りができるというシステムです。
さらには法事もパソコンの画面を通して参加できるサービスもあり、ライブカメラを通じてディスプレイからその様子を動画で確認できます。
この新しいサービスが誕生したのは、地方から都市部に出て暮らす子供たちが増加してきたのが理由の一つ。
仕事などが多忙でなかなか地元に帰省ができず、お墓参りができない方を中心に人気を集めています。
他にも足腰が弱くなったご高齢の方でも、体の負担がなくお墓へ手を合わせられるシステムとして使われています。
ネット墓参りの賛否について
実際のお墓に足を運ばずに供養をするのは、ご先祖様に失礼だとの反対意見も多いです。
しかし、お参りをするお墓を複数持つという考え方は古くから存在していました。
納骨したお墓を「埋め墓」、お参りするためのお墓を「参り墓」と言い、こうして別々にお墓を用意することを「両墓制」と呼ばれています。
そのため、必ずしもご先祖様が埋葬されているお墓に限らず、他にもお参りができる場所を設けるのは宗教的に問題ないと考えられているのです。
一番大切なのはお墓に直接足を運ぶ負担ではなく、ご先祖様や故人への感謝の気持ちで供養を行うこと。
遺族が墓参りに行けないことで悩み心を痛めてしまうのは、お墓で眠るご先祖様にとって悲しいことでもあります。
できるだけ現実に存在するお墓へ足を運ぶのが望ましいですが、病気やご高齢の方、海外で暮らしている方などにとっては、ネット墓はとてもありがたいサービスとの意見も多いのです。
ネット墓参りの費用やサービスについて
ネット墓は写真を運営会社に送信して、ネット上にアップロードしてもらうのが基本的なサービス内容です。
最近では、故人の生前の写真やプロフィールなどのくわしい情報も、まとめてサイトにアップできるところも登場しました。
また、ネット墓参りをした方が記帳できるサービスもあり、メッセージを残せるなど多様なサービスが展開されています。
費用はサイトによって異なりますが、年会費2000~3000円前後のところが多く、そこまで大きな負担がなくネット墓を利用することが可能です。
<まとめ>
賛否あるネット墓参りですが、事情があってどうしても直接お墓参りができない方々にはとても人気のサービスです。
高齢化が進む現代では、お墓まで足を運ぶのがつらいというご高齢の方が増えてきました。
そんなニーズに対応するべく登場したのがネット墓参りです。
とても便利なサービスですが、ネット墓があるからといって本物のお墓にお参りをしなくても良いというわけではありません。
ご先祖様も孫たちが会いに来てくれるのを心待ちにしているため、できる範囲でお墓へ出向いて手を合わせるようにしましょう。