お墓の形は一般的に和型、洋型、デザイン型に大別されます。昔からよく見られた和型は最近では少なくなり、洋型が大半を占めていますが、宮城では全国でも例がないほどデザイン型が多く建立されています。デザイン型にははっきりとした定義はありませんが、いくつかの種類に分類されます。では、どんな形が多いのでしょうか?そのランキングをみてみましょう。
第1位は「和洋型」(わようがた)
文字通り竿石が和型と洋型の中間のような形をしている墓石の総称で、別名「仏壇型」(ぶつだんがた)とも言われます。
見慣れた和型と形が似ていることからお墓らしい安心感があるというのが選ばれる主な理由ですが、竿石に彫刻する文字も洋型のような横書きではなく、縦書きがマッチするため、筆文字が合うということも人気の要因の一つでしょう。
竿石の縦横比率を変えるだけで印象が全く異なるのでデザインのバリエーションが豊富なため、どんな形が良いか分からないといった方は「和洋型」をベースにして設計されることをお勧めします。
第2位は「自然型」(しぜんがた)
これも文字通り竿石が自然石の形をした墓石の総称です。竿石以外でも台石や花立、香炉なども自然の形にすることにより、全体的なナチュラルな統一感を醸し出します。
一昔前は「自然型」というと土中に埋まっている玉石を切って使用していましたが、現代では輸入材が多くなり、加工技術も進歩したことから人の手によって人工的に自然石風の形をつくることも多くなってきました。思い通りの円弧や曲線が描けることから、デザインの多様性に応えることができるオールラウンダーな形とも言えるでしょう。
全体的に丸みのある角が少ないデザインがお好きな方に選ばれる形です。
第3位は「欧米型」(おうべいがた)
竿石の正面が比較的上を向いた墓石の通称です。欧米で良く見られる形のため、一般的に欧米型と呼ばれます。
この欧米型は洋型よりも全体的なデザインから受ける印象が“洋風”になることが大きな特徴です。その理由は明確になってはいませんが何らかの日本人の慣習や感性に起因しているものと思われます。
墓前に供える花はバラやコスモスが似合うため、キリスト教等を信仰されている方が気に入る傾向にあります。
<まとめ>
伝統的な和型はモデルとなった五輪塔とともに古来から日本のお墓として認知されてきましたが、最近では洋型とデザイン型が多く選ばれています。
宮城では地震が多いことも関係し、幅が広く高さが低い重厚感のある形が支持される傾向にあり、他都道府県よりもデザイン墓石が多く見受けられます。
デザイン型は自由な発想でデザインされるため、一見敬遠されがちですが、大別した形に絞っていくと趣味や信仰などの個性を表現できる多様性のある墓石です。
個人の生きた証、または家族のシンボルとしてお墓をおつくりになる方は是非、デザイン墓石を検討されてはいかがでしょうか。