お墓を建てるとき一番重要で一番分かりにくい“石”。その選び方でお墓づくりの成否が別れるといっても過言ではないでしょう。今回は宮城県で使用される石のランキングをご紹介します。
第1位は「黒御影石」(くろみかげいし)
お墓に使用される石は耐久性に優れた花崗岩、別名御影石がほとんどです。しかし、宮城県では御影石が採れず、昔から外国産の輸入材が多く使われてきました。中でも高級感のある和型の「黒御影石」が人気を博し、代々のお墓への建て替えが多くみられた昭和は9割以上を占めたほどです。
平成に入って洋型が普及してきたことで「黒御影石」は昭和の時代より少なくなったものの約4割程度を占め、その人気は衰えていないようです。
ただし、「黒御影石」は総称で実際には様々な種類があります。産地も最も人気のあるインド産やプレミア感のあるスウエーデン産など世界各地で産出され、記号や名前がついたものだけでも数百種類は存在するため、お墓づくりで石を選ぶ際には石材店にアドバイスを求めるようにしましょう。
第2位は「M-1」(えむわん)
インドのアンドラブラディッシュ州産の緑系御影石です。
深い黒地にグリーンの目が均等にちりばめられた石目が特徴でその端正な美しさから洋型やデザイン墓に多く使用されています。見かけだけではなく強度が高く、吸水率が低いという高い性能を誇ることが人気の秘密でしょう。
その他、数ある中間色系の御影石の中で多く使われている理由として宮城県の墓地は他県と比べ広いということがあげられます。長く大きな部品が必要な「外柵」には比較的安価な白系の御影石を使い、魂が入る石塔や戒名を刻む墓誌等のいわゆる「墓石」には濃淡の差が出るM-1を使用することでメリハリのある美しいコントラストを織りなすのです。
第3位は「北大青」(ほくだいあお)
「北大青」は中国の山西省産の青系御影石です。
グレーに近い黒地に淡い青の石目が浮かぶ落ち着いた色合いで、和型と洋型どちらにも用いられています。強度や吸水率のスペックも平均以上ながら黒系の御影石の中では比較的価格が安いことが非常に高い人気の理由。宮城県に限らず近年全国的に広がりつつある未だ新しい石種です。
丁場が複数点在して大材が採れるため石塔と外柵すべてを「北大青」でつくることが多いほか、石塔を「黒御影石」外柵を「北大青」とした組み合せも相性が良く、宮城県では少なくありません。
しかし、難点はその鉱脈の広さでしょう。色合わせが難しく、深い丁場では黒味が濃くなり「北大黒」(ほくだいくろ)と名前が変わるほどの違いがあります。そのため、「北大青」を使用する場合はサンプルなどで色味の基準を決めてからお墓をつくること。そうすることで深さに応じた丁場を探しだし、基準の色に合わせることが可能になります。
<まとめ>
花崗岩が産出されない宮城県では外国材の黒系御影石が人気ですが、かなりの種類があるため一般的に見極めることが困難です。
そのためランキングのデータを参考に石を選ぶことも有効な手段と言えるでしょう。今回ご紹介した“宮城県で人気の石”も選ぶ方々が何らかの秀でた特徴を評価している証ですからお墓づくりの参考にされてはいかがでしょうか。