日本は世界でも有数の地震大国です。
ここ数年でも2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震など、未曾有の被害が出た大地震が起きました。
そんな地震による被害は建物だけでなくお墓にも大きな影響を及ぼします。
万が一地震によってお墓が崩壊してしまった場合、保証で直してもらうことは可能なのでしょうか?
今回は万が一の事態に備えて覚えておきたい、お墓が地震で崩壊したときの保証をご紹介します。
東日本大震災や熊本地震で倒壊したお墓の数
2016年に起きた熊本地震では、市営墓地7か所のうち約1万300基もの墓石が倒壊しました。
これは全体数の1万8000基のうち6割にもおよぶ数字で、そのあまりの数に地震発生から数か月たった時点でも多くのお墓は手付かずの状態のままでした。
また、お墓以外にも墓地の地盤の崩れや沈没、納骨スペースの倒壊によって骨壺まで割れてしまうなど、多くの被害をもたらしました。
そして2011年の東日本大震災では、地震の揺れによる倒壊だけでなく津波の影響を受けて、お寺の床下浸水や境内の墓石が数多く流されました。
結局墓石が見つかっていない檀家もあり、当時は石材店1社あたり300~500基もの膨大な修復依頼が寄せられたとの記録も残っています。
このように、地震は私たちが暮らす建物だけでなく、ご先祖様が眠る大切なお墓も壊してしまう可能性があるのです。
地震はいつやってくるかわからないからこそ、今あるお墓をしっかり守るため保証内容の見直しや地震対策のため耐震工事を施すことをおすすめいたします。
お墓の保証書の内容を確認しよう
万が一地震でお墓が倒壊してしまった場合、基本的に住居とは違って石材店が地震保証をしているわけではありません。
そのため、地震によるお墓の被害は全額自己負担で、建て直しや修繕を行う必要があるのです。
ただし、最近ではお墓の保険も登場していて、地震などの天災によりお墓が倒壊してしまった場合、墓石を再購入するための費用や修繕費用を補償する制度が設けられています。
どうしても倒壊したお墓の修復するための費用がない場合は、墓じまいを選択される方もいらっしゃいます。
まずはご先祖様がゆっくりと眠れる場所を用意するため、お墓という形や大きさにこだわらず、手元供養や納骨堂、永代供養塔の利用など、ほかの形で埋葬をするのも一つの手段です。
お墓を地震から守るためにできること
突然訪れる大地震に備えて、今あるお墓にはぜひ耐震施工を施しましょう。
耐震、免震性を高めるにはいろいろな工事方法があり、たとえばシリコンゲルをはさむほか、墓石の中にボルトを通してパーツごとをしっかりと結合させるなどが挙げられます。
また、墓地の地盤自体がゆるければお墓を建てても耐震施工をしても効果が得られません。実際地震にともなって液状化現象が起きた例も報告されています。
特に山地など傾斜面は平地とくらべて土砂崩れのリスクが高いです。
耐震構造をお墓に施すのと同時に、これからお墓を建てる方は立地にも十分気を配りたいですね。
<まとめ>
突然やってくる地震はお墓を倒壊させる危険性があります。
しかし、お墓自体の補修や建て替えはすべて自己負担が基本です。
最近では住宅と同じように、天災によるお墓のトラブルを保証してくれる保険も登場しました。
ぜひ大切なお墓を守るためにも今あるお墓の耐震施工をするほか、お墓の保険への加入も検討してみてはいかがでしょうか。