お墓を建てている土地は、実は自分たちに所有権がないのをご存知ですか?
墓地の区画はあくまで使用権を得ているだけで、毎年管理料を支払うことでお墓を管理してもらっています。
今回はその管理費や寄付金を支払えなくなった場合、そのお墓がどうなってしまうのかをご紹介します。
管理費の支払いが約束されている
霊園や墓地は管理者によって、景観維持などさまざまな土地管理がなされています。
その管理を続けるために私たち永代使用権を持っている側が毎年納めるのが、お墓の管理料や寄付金。
墓地を管理するための掃除にかかる費用から水道料、電気料金もこの管理費からまかなわれています。
そのため、ほとんどは墓所の規約にもはっきりと管理費を支払う義務があることを記載されています。
料金は墓地によって違いがあるものの、公営墓地では数千円、高額なところだと数万円と開きがあります。
墓地の管理費や寄付金が支払えないとどうなるの?
最近お墓の継承者がいない問題が取り沙汰されていますが、実際のところ万が一管理料をおさめる人がいなくなった場合、お墓はどうなってしまうのでしょうか?
基本的に長期間管理料が支払われないお墓は、継承者がいないとみなされ無縁墓になります。
この基準は「墓地、埋葬等に関する法律」で定められており、墓地の使用者が死亡、もしくは管理料未払いのまま3年が経過するとお墓の撤去を行うのが基本的な流れ。
管理費の滞納分を支払ってもらうため、まず埋葬されている方の名前や本籍を官報に掲載し、1年以内に継承者の申し出を待ちます。
それと同時に墓地にも立札が用意され1年間見やすい場所に掲示します。
しかし、期間中に申し出がなかった場合は最終的にお墓ごと撤去され、その区画は再び貸し出されてしまうのです。
無縁墓になったお骨は合葬される
撤去されたお墓に眠っていたお骨は、ほかの方々との合葬によって弔われます。
これはほかの方とのご遺骨と一緒になるため、一度合葬されれば故人だけのお骨を取り出すことができません。
継承者への連絡のほか、墓地に看板なども立てられていますが、それでも管理料が支払われなかった場合の最終手段として、墓地の撤去が強制執行されてしまうのです。
<まとめ>
お墓の永代使用権は何代にもわたって管理されていくうちに、更新手続きが忘れられたまま時間が経ってしまうことがあります。
特に地元から離れた家系のお墓は存在自体を知らないケースも多いのです。
しかし、お墓に眠っているご先祖様は私たちの代まで命をつないできてくださった存在です。
そんなご先祖様のお墓が無縁墓にならないよう、お墓の管理の仕方について今一度考えてみてはいかがでしょうか。