お彼岸や法要のときに、お墓へお団子を供えるご家庭も多いですよね。
どうしてこのようにお墓にお団子をお供えするようになったのかご存知ですか?
今回は、お墓にお団子をお供えするようになった理由について、くわしくご説明いたします。
お墓のお供えものにお団子が使われる理由
お彼岸、法要など、お墓にお参りする節目で、お供え物としてお団子を用意する機会があります。
そもそもお墓にお団子が使われるようになったのは、十五夜のお月見とも関係しているのです。
お月見は農作物の豊作祈願と、その年の収穫の感謝を神に伝えるための行事でした。
昔は今のように電気がなく、太陽が沈んでからは月明りの下で夜遅くまで農作業をしていたのです。
夕方から夜にかけての農作業の手助けをしてくださる月は、古くから神として信仰の対象になっていました。
そんな神への感謝を込めて、秋の十五夜のお月見の際にはお月さまへお団子をお供えるようになっていったのです。
そして、私たちを普段見守ってくれているご先祖様も、神と同じく日頃から感謝すべき存在で信仰の対象。
お月見と同じく、お彼岸の時期は収穫した野菜などの作物や、お団子を作ってご先祖様に豊作のお礼をご報告するのです。
ちょうど秋のお彼岸は米などの作物が収穫される時期ですので、さっそく新しい材料を使ってご先祖様にお団子をお供えする文化ができました。
今もお彼岸や法要のときに、お菓子や野菜、そしてお団子をお供えする文化が残されているのです。
お墓にお供えするお団子の数に決まりはあるの?
お墓にお供えするお団子は、まるでピラミッドのように複数のお団子を積み上げていく形が一般的です。
あのお供えするお団子は20個を使って、三角錘の形に並べていくのが基本の形です。
お団子は合計4段を積み上げて並べていき、一番下の1段目には、手前から4→3→2→1と10個を使って並べます。
次に2段目は手前から3→2→1、3段目は手前から2→1、4段目に1つお団子を置くことで、あのおなじみの三角錘の形が完成するのです。
ですが、お墓はスペースが限られているので、お団子を20個分並べるのが難しいというところもあるかと思います。
そんなときは、20個ではなく10個を同様に三角の形に並べていく方法でも問題ありません。
こちらは1段目を3→2→1と6個を使い、2段目を2→1、3段目に1つ積むというパターンです。
ちなみにお供えしたお団子はお参りが終わったら持ち帰り、その日のうちに家族でいただくのがしきたり。
当日に作ったお団子ならまだやわらかいので、そのまま食べてもおいしいですし、お餅のようにきなこや醤油、小豆を入れるなどして、ご先祖様に感謝しながらいただきましょう。
<まとめ>
お墓にお団子をお供えするようになったのは、ご先祖様のおかけで今年も無事に作物を収穫できたという感謝の気持ちを伝えるため。
また、お墓にお供えしたお団子はそのままにしておくと、カラスに食べられたり腐って異臭の原因になったりするので、必ず持ち帰るのがマナーです。
お団子を用意するときは、ご先祖様に日頃の感謝の気持ちを込めてお供えしましょう。