自分のエンディングを決める終活が広がりを見せていく中で、近年アメリカのプレニードが注目されています。
このプレニードは日本語で生前契約のことであり、本人が葬儀の内容や費用を決めて葬儀社と契約するというもの。
今回は、日本で増えつつあるプレニードについてくわしくご紹介します。
プレニードとは?
プレニードは生前契約を意味するように、あらかじめ生前のうちに葬儀の契約書を作っておき、費用を前払いするシステムです。
元々アメリカで始まったシステムで、現在は15%がプレニードで葬儀が開かれていると言われています。
アメリカでは日本の香典の風習がなく、葬儀にかかる費用は遺族が全額負担することになります。
そのため、自分が亡くなった後お金の面で家族にできるだけ迷惑をかけないよう、生前のうちに葬儀の内容や費用を決めて支払いまでを行うプレニードが広がりを見せました。
日本では生前契約と生前予約がある
アメリカでプレニードと言えば生前契約を指しますが、日本では生前予約もプレニードと呼ばれています。
生前契約は葬儀の内容や費用の支払い方法まで明確に決まっており、契約までが済んでいるのに対し、生前予約はそれよりもやや緩やかなシステム。
生前契約ほど厳密に取り決めず、葬儀の内容や費用を相談しながらじっくり進めていけるため、終活をしている方も時間をかけて落ち着いて考えることができます。
ちなみにプレニードを申し込むには、店舗に直接赴くかインターネットからという2つの手段があります。
店舗は直接スタッフと話し合えるので、細かいニュアンスが伝わりやすいですが、近くに葬儀社がない場合はインターネットからも申し込みがおすすめです。
しかし、スタッフと対面しない分自分の要望が伝わりにくい可能性があるなど、どちらも一長一短があるため、自分の環境に合わせて申込方法を選びたいですね。
プレニードのメリット・デメリットについて
プレニードを利用するメリットは、まず自身が思い描く葬儀をプロデュースできるという点が挙げられます。
たとえば、家族だけで規模を小さく行いたい、音楽を流してにぎやかに行いたいといった要望を叶えることができるのです。
また、事前に費用も決めておくため、いざという時に遺族がお金の準備を心配する必要がありません。
しかし、このプレニードは親族など周囲からの理解が得られないケースも。
生前のうちに葬儀について決めておくことは縁起が悪いと考える親族もおり、トラブルの原因になる可能性も考えられるのです。
そのため、プレニードを利用する際は契約が完了する前に、親族から合意を得ておきましょう。
<まとめ>
かつては生きている間に葬儀やお墓のことを考えるのは、縁起が悪いと敬遠されてきました。
しかし、近年では自分のエンディングを自分で決める終活ブームが起きたことから、生前のうちに葬儀を契約するプレニードも注目を集めているのです。
プレニードを利用すれば、自分らしい葬儀にできるほか残される家族への負担も軽減できますが、理解が得られないとトラブルの原因になることも。
このようにメリットとデメリットを考えた上で、自分に合ったプレニードを利用しましょう。