少子化や核家族といった社会の変化によって、近年はさまざまな供養の形が提案されています。
その中でも日本を象徴する花である、桜の木の下に埋葬される「桜葬」が注目されているのをご存知ですか?
今回は、桜葬とは何か、どんなメリットやデメリットがあるのかをご紹介します。
「桜葬」とは?
桜葬は樹木葬の一種で、桜の木を墓標とする埋葬方法。
樹木葬は石碑の代わりに木の下へ遺骨を埋葬する形で、家族で埋葬が可能なところや、共同墓として複数の遺骨が埋葬される墓地もあります。
通常の墓地と同じように、桜の木ごとの区画性になっており墓石や外柵を用いない新しい埋葬の形と言えるでしょう。
遺骨は桜の木の下に直接埋葬されることで、やがて自然と土へと還っていくのです。
桜が咲く春がやってくると、その霊園では毎年合同供養祭が開かれ、遺族や知人など多くの人が集合します。
他にも、桜葬を希望する方々が生前のうちに集まり、交流を深める催しを定期的に開かれている霊園も。
近年は少子高齢化によって身寄りがなく、高齢者の方の孤独死が社会問題になっています。
桜葬は合同供養祭やイベントによって、このような高齢者の方々が親睦を深められるというメリットもあるのです。
桜葬にかかる費用の目安は?
桜葬にかかる費用はその霊園によって異なりますが、目安の料金は次のとおりですので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
・一人…40万円
・二人…80万円
・家族(5人まで)…100万円(4人目からは一人につき30万円追加)
・共同墓…20万円
他にも埋葬時の埋葬料や銘板への彫刻料などは別途料金が必要になります。
費用を抑えたい場合や他の方々と一緒に埋葬されたい方は、共同墓を希望されるケースが多いです。
また、ペットと一緒に埋葬ができる区画も人気で、ペットを含め2人までのところだと50万円前後で利用が可能です。
桜葬の注意点
・霊園が遠い
桜葬は桜が大量に植えられているので、通常の墓地よりも広い土地が必要です。
そのため、桜葬を行っている霊園は郊外がほとんどで、都心で生活をしている方は遠方になることも。
スケジュールが合わないとなかなかお墓参りに足を運べないケースもあるので、具体的にどれくらいの移動時間やコストがかかるのか事前に調べておきましょう。
・後ほど改葬ができない場合がある
桜葬は故人が自然と土へと還っていくのが基本的な理念ですので、直接地中に埋葬する方式のところが多いです。
そのため、子孫が後ほど改葬などで遺骨を移動するとなった際に、移動が不可能になる問題が考えられます。
中には骨壺に納骨したものを埋葬する霊園もあるので、気になる方は調べておくことをおすすめいたします。
<まとめ>
死後は自然と土へと還りたいという志向が増えてきている中で、桜葬は多くの注目を集める新しい埋葬方法です。
散骨が墓を作らないのに対し、墓標はないものの桜をシンボルにしたお墓を作って遺骨を埋葬するため、目に見える形として残るのも遺族に安心感を与える理由です。
今後終活を考えている方は、桜葬も候補の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。