お盆やお彼岸の時期に「施餓鬼法要」という言葉を耳にしたことはありませんか?
お盆はご先祖様が帰って来るため、精霊棚を自宅に用意する方は多いですが、ご先祖様だけでなく無縁仏などのためにも供養が行われているのです。
今回は、機会があったらぜひ参加したい施餓鬼法要についてご紹介いたします。
施餓鬼法要とは?
施餓鬼(せがき)法要は具体的な日取りが決まっているわけではありませんが、主にお盆やお彼岸の際に、お寺で開かれることが多いです。
お盆のときはご先祖さまや故人の供養を行う方は多いですが、この時期に餓鬼の供養も一緒に行われているのです。
仏教の世界には6つの世界(六道)があり、その中の一つである餓鬼道に堕ちて苦しんでいる無縁仏を供養するのが施餓鬼法要。
曹洞宗では施餓鬼ではなく「施食会」と呼んでおり、どちらも餓鬼道に堕ちて常に飢えや乾きに苦しんでいる方々に、食べ物や飲み物などのお供え物を施す法要行事なのです。
餓鬼道に苦しむ餓鬼に食べ物や飲み物を施すことは、生前の功徳になると考えられておりその行いが巡り巡ってご先祖様の極楽浄土への供養につながります。
つまり、施餓鬼を行うことは苦しむ方々を救う施しの心の大切さを知り、ご先祖様への感謝の想いを改めて学べる機会と言えるでしょう。
施餓鬼のお布施について
施餓鬼は餓鬼を供養するために、お寺にお布施を包みます。
お布施の相場は地域によってさまざまですが、一般的には3,000円~10,000円程度のところが多いようです。
また、他に卒塔婆を依頼する場合は別途卒塔婆料を包み、お供え物を持参することもあります。
特にお寺からの指定が無ければ、表書きを「御布施」と書いたのし袋にお布施を包んで持って行くようにしましょう。
お寺によっては施餓鬼専用の封筒を用意してあるところや、お布施の名称を「施餓鬼料」などと決めているところも。
特に国内でも有名な施餓鬼会になると、参加者も多いためのし袋には入れずそのまま受付でお布施を支払う場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、法要ですので数珠を持参するのを忘れないでください。
施餓鬼法要での服装は?
施餓鬼法要はお寺の年中行事の一つのため、そこまで改まった服装でなくとも問題ありません。
そのため、黒やグレーなどの地味な色合いの普段着を着ていくのがおすすめです。
自宅で施餓鬼法要を行う場合は、施主が略礼服を着ることが多く、他の方はお寺と同じく地味な普段着を着用しましょう。
服装も地域や宗派によって違いがあるため、不安な場合は事前に問い合わせておくのが無難と言えます。
<まとめ>
お盆やお彼岸の際はご先祖様や故人だけでなく、餓鬼に苦しむ無縁仏の方々も供養する施餓鬼法要が行われています。
お寺によっては施餓鬼法要が盛大に開かれ、読経以外にもお寺で食事会を開いたり他のお寺の僧侶の法話を聞いたりなどのイベントを行うところも。
ぜひ機会があったら、お盆やお彼岸の際はご先祖様の供養以外にも、お寺に足を運んで施餓鬼供養に参列してみてはいかがでしょうか。