お墓参りに行った際に、戦没者のお墓を目にしたことはありますか?
普段何気なくお参りをしている墓地の中には、戦争によって亡くなられた方々のお墓が残っているところがたくさんあります。
今回は墓地で見かける戦没者のお墓の特徴や、正しいお参り方法をご紹介します。
戦没者のお墓とは
そもそも戦没者とは、実際に戦地に赴いて命を落とした人というイメージを持っていませんか?
実は戦没者とは兵士だけでなく、戦争に関係することで命を落としたすべての方を指します。
実際の戦地で亡くなった方以外にも、空襲による爆撃で亡くなられた方も大勢います。
そのような方々も含めて、「戦没者」となっています。
日本では「太平洋戦争」や「第二次世界大戦」など、約70年前に大きな戦争が度々起きました。
それに関する戦没者のための墓苑も日本にいくつか存在し、代表的なところでは「靖国神社」「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」などが挙げられます。
第二次世界大戦の戦没者の中で、何らかの事情で遺族にお骨を引き渡せなかった方のお骨を安置しています。
このような引き取り手がいない、ご遺骨はその墓苑で定期的に参列者を招いて拝礼式が行われています。
また、戦没者のお墓は竿石部分に名前や所属していた部隊、戦死したときの年齢などの情報が彫刻されています。
墓地にある戦没者のお墓は1つに対して1人が眠っているのが基本ですが、実際はお骨の回収ができずにお墓のみで遺骨が埋葬されていないものもたくさんあります。
ほかにも形の特徴として、神道のお墓のように竿石の上部がとがっているデザインのお墓もあります。
こちらは通常の和型墓石とくらべ、杭のように細長い形になっており軍人が埋葬されているお墓です。
生前の名前や階級、そして功労など細かい情報が彫刻されており、靖国神社には合計213万柱もの戦死者が祀られています。
戦没者のお参りの方法
戦没者のお参りはその墓地によって違いがあります。
特に靖国神社や千鳥ヶ淵戦没者墓苑では、個人の場合制限なくいつでもお参りが可能です。
また、毎年終戦記念日や10月になると慰霊祭も開催しており、毎年多くの方が参列しています。
専用の献花も販売されているので、近くに足を運ぶことがあったらぜひ戦争で命を落とした方のご冥福をお祈りしに、戦没者のお墓に手を合わせてみてはいかがでしょうか。
<まとめ>
戦没者のお墓は戦地に赴いた人だけでなく、空襲などで命を落とした一般人の方も該当します。
その多くはお骨の引き取り手がなく、無縁墓の状態になっているお墓もあります。
終戦から70年以上経った今、日本は平和になりましたが戦争の傷跡が感じられる場所は全国各地に残されています。
戦争の記憶が薄れている今だからこそ、戦没者のお墓の重要性や存在について今一度考えなおしてみてはいかがでしょうか。