日本では仏教徒が多いですが、神道の方もとても多いです。
お墓の見た目の印象はお互い似ていますが、実際のお墓参りでは作法やお供え物に少々異なる点があるのです。
そのため、神道のお墓参りをする際は以下の方法を抑えて、故人の心からの供養を行いましょう。
神道と仏教のお墓参りの違いは?
基本的なお墓参りの流れは仏教と神道に大きな違いはありません。
ただし、以下の点が異なりますので神道のお墓参りをする際は注意しましょう。
・お供えする花
仏教ではお墓にお供えする花を仏花と言い、3~5色程度の華やかな生花を選ぶのが一般的です。
それに対し、神道ではお花ではなく「榊」という植物をお墓にお供えするという違いがあります。
しかし、最近では榊だけでなくお花の色がついていない白い菊、故人が好きだった花があればそれをお供えする傾向も。
伝統としては榊が一般的ですので、お花を持って行く際は差支えないか遺族の方に確認をしておくと良いでしょう。
・お線香をお供えしない
もう一点、仏教と大きく異なるのはお線香をお供えしないという点です。
神道もお墓をきれいに掃除したあと、ろうそくに火をつけるという流れまでは仏教と同じですが、ここでお線香を上げたり焼香をしたりということはほとんどありません。
その代わり、神道では「玉串」という榊の枝へ紙垂を麻で貼り付けたものをお供えします。
この玉串をお墓にお供えするのが神様への奉納となり、参拝者の故人への真心を示すと考えられているのです。
・お供え物は「神饌(しんせん)」が中心
仏教ではお供え物の食べ物は、基本的にお菓子やフルーツなど旬の食べ物や故人が好きだったものをお供えします。
しかし、神道のお墓は水、洗米、塩、お神酒といった神饌(しんせん)を神様へお供えするというスタイル。
通常の神事にお供えするのと同じものを用意して神様へと捧げますが、仏教などと同じく他にも故人が好きだったお菓子などを一緒にお供えしても問題ありません。
お参りの作法について
お供え物の他に、仏教と神道の大きな違いはお参りの仕方にあります。
仏教ではお線香をお供えした後に手を合わせて供養を行いますが、神道では「二礼、二拍手、一礼」が基本です。
普段、初詣などで神社にお参りをする際に行うものと同じで、手をパンパンと鳴らす作法です。
また、二礼、二拍手、一礼の前後には「一揖(いちゆう)」を行うのが正式な作法であり、両手を胸の前で組み上体を30度ほど倒してお辞儀をする動作を行います。
つまり、丁寧なお参りの手順としては「一揖・二拝・二拍手・一拝・一揖」となるため、神道のお墓をお参りする際は参考にしてみてください。
<まとめ>
神道と仏教はお墓の形状もよく見ると違いがあり、それと同じくお供え物やお参りの作法も違いがあります。
ですので、神道のお墓をお参りする際は故人への心からの供養として、正しい作法でマナーに沿ったお墓参りを行いたいですね。