毎年多くの雪が降る地域は、お墓が気づかないうちに劣化が進んでいる可能性があります。
そのため、お墓を守るために春彼岸にかけて、お墓の雪かきを行う方もいらっしゃるようです。
しかし、墓地の雪かきは自宅と違い、注意しなければならないポイントもいくつかあるため、トラブルにならないよう十分に注意しましょう。
今回は、お墓の雪かきをする際のポイントについてご紹介します。
雪はお墓の劣化を早めてしまう
お墓に使われている石材は、表面に無数の穴が空いており水分を吸収してしまいます。
すぐに水分が抜けていけば問題ありませんが、長い間水に濡れたままでいることで、墓石が変色したり、つなぎ目からひび割れたりする危険性があるのです。
中には霊園で雪かきをしてくれるところもありますが、自分たちで雪かきを行う場合がほとんどでしょう。
しかし、墓地の雪かきは自宅とは違い、細かい部分に注意しないとケガや墓石を傷つける危険性があります。
お墓の雪かきをする際は、次の点に注意しながら無理のない範囲で行いましょう。
お墓の雪かきをする際のポイント
・スコップはプラスチック製を選ぼう
雪かきに使うスコップは、金属製とプラスチック製のものがありますよね。
お墓に使われる御影石は表面を丁寧に磨き上げられており、少しぶつかっただけでも傷が残ってしまいます。
そのため、金属でできたスコップの先端が万が一墓石にぶつかると、傷が残ってしまいやすいので、プラスチック製のスコップを使うのがおすすめです。
ただし、プラスチックと言っても強い力で墓石にぶつかれば、やはり傷がついてしまうので墓石のすぐ横を雪かきする際は手を使って掘るなど、慎重に作業を行いましょう。
・雪を他の敷地に捨てない
雪かきした雪を、隣など他のお墓の敷地に捨てるのはマナー違反です。
雪は見た目以上に質量があり、隣のお墓に自分の敷地の雪まで捨ててしまうと重みに耐えきれずひび割れや倒壊の危険性も。
また、隣のお墓を所有している方が雪かきをする際に大きな負担にもなってしまいます。
雪かきをした雪は自分の敷地内の端に寄せるようにし、別の敷地へはみ出さない程度に留めましょう。
・転倒に注意
お墓によっては御影石の拝石を設置しているところがあり、雪で濡れると滑りやすくなっている可能性があります。
雪かきをする際はできるだけ拝石の上に立たず、その周辺の砂利や土の上に立って行いましょう。
また、雪かき用の長靴の多くは靴の裏面にスパイクがついており、拝石の上を歩くことで傷つけてしまうことも。
足場が安定したところを見つけ、雪かきでケガをしないよう十分に注意してください。
<まとめ>
雪はお墓にとって大敵ではありますが、雪かきを行うのはケガや墓石を傷つける可能性があります。
しかし、無理にお墓の雪かきを行って遺族がケガをしてしまったら、眠っているご先祖様も悲しんでしまうでしょう。
そのため、お墓の雪かきは自分の安全を確保できなければ、無理に行わないのが賢明です。
雪かきをする際はケガに十分に注意し、慎重に作業を進めていってください。