新しい供養の形が提案されている中で、近年話題を呼んでいるのが「送骨供養」です。
この送骨供養とは一体何なのか、またどのような方におすすめなのかについてご紹介したいと思います。
送骨供養ってどういうもの?
「送骨供養」とは、郵送(ゆうパック)で直接寺院へ郵送する新しい形の供養です。
事情があってお墓の継承者がおらず、寺院が永代に渡って供養をするのを「永代供養」と言いますが、送骨は直接寺院へ遺骨を持って行かずともそのまま供養を進めてもらうことができるのです。
この驚きの供養方法が誕生した背景には、現在の少子高齢化社会が関係していると言われています。
たとえば、ご高齢の方の中には自分で車の運転をするのが困難な場合も少なくありません。
また、車の代わりに電車やバスなどの公共機関を使って運ぶという手段もありますが、大切な骨壺を持って移動をするのは何かと負担がかかってしまいます。
このような方でも、遺骨をきちんと永代に渡って供養してもらえるとして、送骨を依頼する方が年々増えてきているのです。
送骨の具体的なやり方は?
①申し込み
送骨を希望する際は、まず送骨の受付をしている寺院やNPO法人へ申込を行います。
電話の他ホームページの問い合わせフォームからも申し込みが可能です。
②送骨パックが送られてくる
正式な契約後、遺骨を運ぶための段ボールなどをセットにした「送骨パック」が送られてきます。
この送骨パックには専用の段ボールの他、大切な遺骨を無事に送り届けるため、送骨方法のマニュアルも同梱されており、必ず梱包方法を確認して正しい方法で郵送を行いましょう。
③ゆうパックで発送
遺骨の配送は郵便局のゆうパックを利用します。
また、この時に埋葬許可証が必要になるため、遺骨と一緒に送る必要があるので注意してください。
④ご供養
申し込みをしたお寺に遺骨が届いたら、ご供養を行います。
その後、永代供養塔などに正式に納骨されますが、希望をすれば納骨に立ち会うことも可能です。
送骨供養は賛否両論の意見がある
理由があってお寺に足を運べない方でも、遺骨を永代供養できる送骨供養は便利なサービスと言えるでしょう。
しかし、このように遺族が直接お寺で供養できないというのは、少子高齢化など現代の問題点を浮き彫りにしたと感じる方もいらっしゃるようです。
遺骨を荷物として扱うこと自体に、死者への冒涜だと否定的な意見も多く挙げられています。
ただ、正式に納骨したいと考えていても、年齢や病気などさまざまな事情でどうしても菩提寺へ行くことができないという方がいるのも事実。
この送骨という供養方法が誕生したおかげで、直接お寺へ足を運べない遺族の希望が叶えられたケースもあり、賛否両論の意見が寄せられているのです。
<まとめ>
このように、供養の方法は複雑化していますが、最も大切なのは方法そのものではなく、故人に対する心からの供養を行うことです。
事情があってお墓を建立できず、納骨やご先祖様の遺骨の埋葬方法に悩んでいる方は、一つの供養の形として検討してみてはいかがでしょうか。