お墓参りに行くと、お墓のそばに細長い木の板が立てかけてあるのをよく見かけませんか?
あれば「卒塔婆(そとば)」と言い、ご先祖様や故人の供養のために建てられています。
そんな卒塔婆ですがいつお墓から下げるのがいいのか、正しい時期がわからないとの意見を耳にします。
今回はお墓に立てた卒塔婆はいつ下げるのが正しいのか、またその方法についてご説明いたします。
卒塔婆の意味
卒塔婆は細長い木の板でできており、ご先祖様の供養のために用いられるものです。
仏教では卒塔婆を立てることが、今生きている私たちにとっての善を積むことになり、ご先祖様の供養としてだけでなく、自分の善行にもなると考えられています。
この卒塔婆は五輪塔を元にしたデザインで、インドの宇宙の構想要因と考えられている「地」「水」「火」「風」「空」の5つを表現したもの。
宗派によっては卒塔婆を建てないこともありますが、基本的には命日、年忌法要、お盆、お彼岸に用意される方が多いです。
中にはお墓参りの度に卒塔婆を用意される方もいらっしゃいますが、その地域やご家庭によって違いがあります。
卒塔婆を下げる正しい時期とは?
一度お墓に立てた卒塔婆ですが、いつまでお供えしておくのがいいのでしょうか?
実は卒塔婆を下げるのに具体的な正しい時期は決まっていません。
卒塔婆の功徳は1日ですので、実は建てた当日のみ有効のもの。
極端な例ですが、建てた翌日に処分しても卒塔婆供養については問題ないのです。
ですが、目安としては木が朽ちたり字が薄くなって読めなくなったりする前に、卒塔婆を下げるのが望ましいとされています。
あまりに長期間放置して、朽ちてしまった卒塔婆はお墓の景観を損ねるだけでなく、強風などを受けた際に、周囲に飛んで行ったり破損したりする恐れがあるためです。
新しい卒塔婆を用意したら、前に立てた卒塔婆は処分するペースがおすすめです。
卒塔婆を下げる方法について
古くなった卒塔婆の処分方法ですが、霊園によってはお花などと一緒にまとめて処分をしてくれるところがあります。
しかし、処分することに抵抗がある方は、菩提寺に依頼してお炊き上げをしてもらいましょう。
お炊き上げはご住職から読経してもらいながら卒塔婆を焼きますが、地域によっては環境汚染の問題で、現在は行っていない菩提寺もあります。
そのため、まずは普段お付き合いしているご住職へ相談をしてみましょう。
<まとめ>
お墓に立てておいた卒塔婆をあまりに長い間放置すると、風化が進んでちょっとした衝撃で壊れてしまうことがあります。
破片が周りに飛んで行ったらほかのお墓に迷惑をかける恐れがあるため、定期的に前の卒塔婆を処分しましょう。
卒塔婆の片づけ方は霊園やお寺側で指定している場合もあるので、まずは管理者へ確認をすることをおすすめいたします。