日本で見かける宗教の中でも禅宗の一つが曹洞宗(そうとうしゅう)です。
この曹洞宗は本山が福井県と神奈川県にありにあり、鎌倉時代に中国から日本へ伝えられてきました。
今回は禅宗の一つ、曹洞宗とは何なのかくわしくご紹介します。
曹洞宗の歴史
曹洞宗は道元が鎌倉時代に中国へ渡った際に、天童山の天童如浄から教えを受け日本へ伝えました。
禅宗で有名な曹洞宗ですが、道元自体は特定の宗派の名前を呼称するのを禁じており、禅宗の一つとして数えられるのを拒否していました。
そのため、当時は宗派を名乗る必要がある際に「仏心宗」と呼ぶように示したとされています。
現在の曹洞宗と呼ばれるようになったのは第四祖の瑩山紹瑾からで、中国の「曽」渓山慧能禅師と「洞」山良价の頭文字から名付けられました。
曹洞宗の教えについて
曹洞宗はお釈迦さまが座禅の修行によって悟りを開いたことから、ただひたすら座って坐禅をすることで悟りの姿へ近づくという教えです。
他にも開祖である道元は坐禅だけでなく、日常行為全ての事柄が坐禅と同じ価値を見出すべきと説き、一つひとつの物事を坐禅と同じ心で務め、実践し続けることが修行と考えられています。
この曹洞宗の坐禅は「只管打坐(しかんたざ)」と言い、何か目的があって達成するために座るのではなく、ただ座り続けるその姿こそが仏の姿。
つまり、悟りの姿に最も近いと考えられているのです。
坐禅による精神統一は若い世代や海外の方々から注目を集めており、全国の曹洞宗のお寺では外国人を受け入れて坐禅を行う会を開いています。
広く禅に親しむために、公園やイス坐禅の体験ができる「禅をきく会」は全国各地で開かれています。
曹洞宗のお墓について
曹洞宗のお墓には「○○家之墓」と彫刻された上に「円相」という○を刻むところがあります。
これは禅宗において悟りの象徴であり、丸い円を描くことで完全に悟りを開き故人が成仏し仏に変わったことを表したもの。
また、円相の代わりとして円の中に家紋を彫刻するデザインのお墓もあります。
近年はお墓のデザインも多様化していることから、円相を希望しない方が増えてきました。
また、五輪塔は梵字を刻み上から「空」「風」「火」「水」「地」を表しています。
<まとめ>
曹洞宗はただひたすらに坐禅を組むことで、常に安らかな心を目指しているのが基本姿勢です。
道元によって中国から日本で伝えられた禅の教えを忠実に守り、受け継いできた宗旨として現在信者の数は約690~700万人ほどいます。
お墓も円相が彫刻された特徴あるデザインですので、お墓参りに行く機会があったらお墓一つひとつのデザインに注目してみてはいかがでしょうか。