今趣味として写経を始める人が増えてきています。
もともと写経と言えば僧侶が行うものでしたが、最近ではさまざまなメリットがあるとして一般の方々にも広がりを見せています。
そんなひそかなブームの写経ですが、必要な道具や心がけについてご存知でしょうか?
今回は写経とは何か、必要な道具や心がけておきたいことをご紹介します。
写経とは?
そもそも写経が始まったのは中国から持ち帰った経文を世の中に広めるため、一つ一つ僧侶が書き写していったのがきっかけです。
仏教において心を込めてお経を書き写していくことは、功徳を得ることにつながるとして修行の一環で長年行われてきました。
そんな写経は功徳を積むだけでなく、集中してお経を書いていくことが集中力アップにつながります。
また、姿勢が良くなったり指先を細かく使うことで脳を活性化させたりと、さまざまなメリットが得られますよ。
実際に東北大学の研究にて、写経をすることが認知症予防に役立つとのデータが発表されています。
心を落ち着けてゆっくりと字をしたためていくことは、悩みを打ち消し心にゆとりをもたらします。
仕事に育児に忙しく過ごす現代人にこそ、心に静寂をもたらす写経がひそかなブームになっているのです。
写経のために準備するものは?
そんなたくさんのメリットがある写経ですが、始めるにあたってどんな道具が必要なのでしょうか?
筆の場合と硬筆の場合、どちらにどんなものが必要なのかを見ていきましょう。
・筆の場合
筆、墨、すずり、半紙
写経は細かい字をたくさん書くので、細く硬さがある筆を選びましょう。
また、墨汁は長時間経つと粘りが出てきてしまうため、写経の場合は墨とすずりがおすすめです。
・硬筆の場合
いきなり筆を使っての写経は敷居が高いと感じる方は、ボールペンを使っての写経がおすすめです。
使う道具にこだわることよりも、写経で重要なのは一文字ずつていねいに書き自分自身を見つめることです。
手元に筆がないという人は、紙とボールペンを用意すればそれだけで写経をスタートできますよ。
写経で心がけること
写経は「一字一仏」と言って、一字書く度に仏様を刻むことを意味しています。
集中してお経を移している間に、心にうずまいている悩みや苦しみはいつの間にか消え去り、心の安定がやってくるのです。
そのため、写経をするときはとにかくきれいな字を書くというよりも、一文字ずつていねいに書くことが大切です。
また、写経をお寺におさめる「納経」という宗教儀式があります。
納経を希望される方はまず専用の写経用の罫線入り用紙を用意しましょう。
お経と一緒に書かなければならないのが「願文」と「姓名」です。
願文とは、どういう願いを込めて写経をしたのかの理由を記したもので、たとえば故人の冥福や家内安全、願いの成就など、「為 家内安全」「為 心願成就」と書いて提出をします。
それと一緒に、書いた本人の住所、本名などの姓名も忘れずに添えます。
これらが抜けていると、納経を断られることがあるため必ず2つが書かれているか確認してからお寺に持参しましょう。
<まとめ>
写経は集中力アップや字がきれいになるなど、たくさんのメリットがある行いです。
一見難しいイメージがありますが、最近では手軽にボールペンで始められる専門書も数多く販売されています。
現在心に悩みを抱えている人、心にゆとりを持ちたい方など、ぜひ趣味として写経を始めてみてはいかがでしょうか。