夫と妻の宗教や宗派が違ったとき、普段はあまり気にしていなくともお墓や法要の際に、宗教観の違いがトラブルになったというケースがあるのを知っていますか?
以前は妻が夫側の宗教へ改宗するのが一般的でしたが、日本では信仰の自由があるため自分の宗教に則った方法で葬儀やお墓への埋葬を行うことができます。
そのため、夫婦で宗派が違う場合はあらかじめ家族間で話し合っておくことが、トラブルの防止につながります。
今回は、夫婦で宗教が違う場合のお墓や法要への注意点などについてご説明します。
お墓を建てる際の注意
本来夫婦は同じお墓に埋葬されるのが基本ですが、宗教や宗派が違うとそのお墓に埋葬できないことがあります。
特に寺院墓地の場合はその宗派の信者のみを供養するところが多いため、宗教が違う場合は夫の先祖代々のお墓に妻が入ることができない可能性があるのです。
そこで、夫婦そろってお墓に入るためには宗教、宗旨不問の墓地へお墓を建てるのが最善と言えるでしょう。
特に霊園などの民間霊園、公営墓地なら宗教不問のところがたくさんあるため、夫婦墓を新しく建立する方が多いです。
ただし、夫が管理しているご先祖様のお墓もある場合は、先祖代々のお墓と合わせて墓じまいや引っ越しをすることも視野に入れましょう。
法要をする際の注意
同じ仏式ならそこまで法要の流れは大きく変わりませんが、使用する数珠などの仏具に違いがあるため注意が必要です。。
ほかにも、焼香などの作法や祭壇への飾りつけはそれぞれ配置などが違うため、間違いがないよう亡くなられた方の宗派の作法がわからなければ、周りに確認をしておきましょう。
また、最近は少子高齢化や地域の過疎化によって、葬儀や法要をごく近親者だけで行う家庭も増えてきました。
そのため、場合によっては宗教色のない葬儀を行うという選択肢もあります。
家族や周囲に伝えるべき注意
夫婦で宗派や宗教が違う際は、その子供たちがどちらの宗教を信仰するのかという問題があります。
日本は信仰の自由が保障されているため、子供はどちらの宗教を信仰しても問題ありませんし、両親の宗教以外を信仰することも可能です。
もちろんこれは夫婦でも同じことで、結婚すると夫の宗教へ改宗するのが一般的ですが、実際は強制力がありません。
どちらの宗教観や意見も尊重したうえで、お墓は同じにするか別にするべきか、また法要をどうするかについて、前もって話し合っておくことが大切です。
<まとめ>
日本では基本的に夫婦になった際に、妻が夫の宗教へ改宗するのが一般的です。
とは言っても、信仰の自由が保障されているため必ずしも妻が夫の宗教を信仰しなければならないという決まりはありません。
その代わりに、トラブルにならないよう死後お墓は夫婦そろって納骨してもらうのか、また法要はどうすれるべきかを話し合っておくことが必要です。
終活で希望の供養や法要の仕方をエンディングノートや遺言書にしたためておくのも、親族などの周囲の方々との衝突や誤解を避けることにつながります。