お墓参りに行った際は、ご先祖様に水やお茶、そしてお菓子などをお供えして手を合わせます。実は何気なくお供えしている水やお茶ですが、置く位置が決まっているのをご存知ですか?
今回は、お墓参りの作法として知っておきたい、お墓への水やお茶の置き方についてご紹介いたします。
お墓やお仏壇への水やお茶は欠かせないもの
そもそも毎日お仏壇へ水やご飯をお供えするのは、ご先祖様の食事としてではありません。
ご先祖様へ今日も無事にご飯が食べられることを感謝してから、私たちがそのお下がりをいただいているのです。
これはお墓でも同じことで、お墓参りの際はまずご先祖様へ水とお茶、そしてお菓子などの食べ物をお供えして、それを持ち帰ってから家族全員でいただきます。
お供え物を置くときは、特に位置を意識せずに置いている人もいるかと思いますが、それぞれに具体的な場所が決まっています。
特に水とお茶の2つは、お仏壇においてもお墓においても常に絶やさないのが仏教での作法。
お仏壇では、水とお茶を入れる専用の「茶湯器」を使いますが、お墓にお供えする際は茶湯器を置いている方もいらっしゃれば、持ち帰るためにその場で通常の湯呑みを使われる方も多いです。
お墓へのお茶と水の置き方
そして、水とお茶は中央に置いたお菓子などのお供え物を挟むようにして、左右に1つずつ置くのが正しい置き方。
お墓の真ん中へ水やお茶をお供えされる方もいらっしゃいますが、これは茶湯器が1つだけの場合です。
水とお茶をそれぞれお供えする場合は、中央にお菓子や果物などのお供え物を置き、それよりも外側へお供えする形となります。
ちなみにお墓が南向きであれば、水を向かって右、お茶を向かって左にお供えするのが基本。
仏教では仏様がいらっしゃるのが朝日の昇る東側と考えられており、西よりも上位として扱われます。
上位となる東へお金や手間がかかっているお茶をお供えし、西(右)へ水をお供えするのです。
お墓に水やお茶を逆にお供えするのは間違いなの?
お墓への水やお茶の置き方についてですが、必ずしも逆にお供えするのが間違いというわけではありません。
お墓は全て同じ方向に向いているわけではなく、北向きのところもあります。
ですので、北であれば南向きのお墓と反対にお茶と水を置きましょう。
また、宗派によってはお水そのものを改めてお供えしないところもあります。
お墓に水鉢が備わっていれば、わざわざ別に茶湯器を用意せずに水を水鉢に入れるのみにされている方も多いです。
そのため、必ずしもお茶と水をお供えするとは限らないので、わからないときは菩提寺のご住職様へお聞きしてみましょう。
<まとめ>
お墓やお仏壇には、ご先祖様へ感謝の気持ちを込めて水やお茶をお供えします。
置き方は水が右、お茶が左となるのが一般的ですが、お墓の向きや宗派によって異なるので注意しましょう。
また、そもそも水だけでお茶をお供えしないところもありますので、その地域や宗派に合わせた方法を事前に調べておくのがおすすめです。