お墓は一族墓が主流ですが、近年は少子化が進むことでお墓の形態も広がりを見せています。
その中の一つが「両家墓」と言い、これは二つの家系を一つにまとめたお墓のことです。
今回は、近年増加する両家墓を建立するメリットなどについて、詳しくご紹介いたします。
目次
近年増加する両家墓
もともと日本では男系が優先の一族墓を建てることが多く、嫁いだ方はその家系のお墓に埋葬されるのが一般的でした。
この形式は現在も続いていますが、近年少子化の影響を受け、一人娘を嫁がせた側の家系では、お墓の継承者がいなくなるというケースも少なくないのです。
そこで、このようなお墓の継承者問題を解決すべく、人気を集めているのが両家を一つのお墓にまとめた両家墓。
両家墓そのものは、古くから存在していましたが少子化という社会背景のもと、再注目されているのです。
両家墓のそれぞれのタイプについて
・一つの区画に両家のお墓を建立する
このタイプは、一つの区画に二つのお墓を建てるというスタイル。
特に区画が広く規模が大きい墓地では、二つのお墓が並んだスタイルを見かけることがありますが、近年では新しく建立される方は減っています。
骨壺を納める納骨室も二つあるのが特徴で、その家系ごとにご遺骨が埋葬されています。
・一つのお墓に両家の名前を彫刻する
古くから見かける両家墓の形として、お墓一つに対して両家の名前を入れるタイプです。
和型墓石に両家の家名を縦に二つ並べて記載されており、それぞれに「○○家之墓」と彫刻するか、家名だけを二つ並べているタイプがあります。
こちらは納骨室が一つのものが多いですが、ご遺骨の数が多い場合は二つになっているデザインもあります。
・墓石に家名以外のものを彫刻したデザイン
近年の両家墓の中で、もっとも多く見られるのが洋型墓石に家名以外のものを彫刻したタイプです。
中央に大きく好きな言葉を彫刻し、下の方へ両家の家名や家紋を彫刻しています。
また、家紋でなくとも好きな花や故人やご先祖様の好きだったものなど、自由に彫刻できるのが魅力。
納骨室は一つの設計のタイプが多いです。
両家墓にするメリットって?
・お墓の継承者不足の解消
両家墓にすることで、たとえ片方の家系にお墓の後継者候補がいない場合でも、もう片方の家系でお墓を後継できる方がいれば、両家とも管理をしてもらえます。
特に一人娘が嫁いでしまった、自分たちの子供は複数人いるが内孫がいないなどの家系におすすめです。
・お墓の管理の負担が少ない
両家のお墓がそれぞれ遠方にあると、お墓参りをするだけでも手間や時間がかかり、一方へのお墓参りが疎かになってしまう恐れがあります。
両家墓であれば、同じ場所にお墓が並んで建立されているため、移動の費用や管理料などの金銭的な負担、お墓のお手入れなども楽になるのがメリットと言えるでしょう。
また、両家が並んでいるからこそお互いの家系でのコミュニケーションの場が生まれ、それぞれの関係を深めるきっかけにもなるのです。
<まとめ>
少子化によって一人っ子の家系も多くなってきました。
その際に起こる、お墓の後継者問題を解決する方法の一つが両家墓なのです。
自分たちの一人娘や一人息子が、家から嫁いでしまった場合でも、墓じまいをせずに済む可能性は十分にあります。
このように、両家墓は現代の家庭事情に合わせて今後も増えていくお墓と言えるでしょう。