ここ数年、「墓マイラー」なる人々が増えてきているのをご存知でしょうか?
この墓マイラーとは、国内や世界中の有名人のお墓をめぐることを趣味とする人々のこと。
お墓参りと言えばご高齢の方が積極的に行うというイメージが強い中、近年若者たちの間でお墓参りがブームになっているのです。
目次
墓マイラーは江戸時代からいる
日本でお墓参りを趣味とする若者が増えてきたのは2010年頃のこと。
その頃文芸研究科の方が著書にて、有名人のお墓をめぐる人々のことを「墓マイラー」と名付けたのが定説と言われています。
近年若いカップルや夫婦、女性一人でも積極的に全国各地のお墓をめぐる人々が増えてきているとのこと。
実はこのお墓参りを趣味とする歴史は非常に古く、なんと古くは江戸時代にまでさかのぼります。
その昔はご先祖様のお墓だけでなく、自分が尊敬している先人を偲び、そのお墓にお参りに行く「掃苔(そうたい)」という文人趣味を持っている人々がいました。
掃苔という言葉はあまり使われなくなりましたが、現在にいたるまで自分が好きな歴史上の人物や芸能人などのお墓参りをする流れは今も色濃く残っているのです。
どうして墓マイラーが人気なの?
・お墓参りをすることで先人の声を聞くことができる
お墓の厳かな雰囲気は、その場にいるだけで気持ちが落ち着いて安らぎを覚えるもの。
墓マイラーは尊敬する先人のお墓に参り、その声なき声に耳を傾けることを目的としています。
ストレス社会と呼ばれる現代において、静かな墓地の空間は日々の喧噪を忘れて気持ちのリフレッシュにもなるのだそうです。
・歴史上の人物をより身近に感じることができる
戦国武将や幕末の志士など、実際に生きている姿を目にしていなくとも、直接形として残るお墓を見ることで、歴史上の人物を肌に感じられるのも墓マイラーをするメリットです。
実際、数年前に歴史上の人物にハマる歴女ブームが起きたのと同じく、お墓の前に立つ=本人を目の前にできるという経験は、ファンにとって何物にも代えがたい幸せな気持ちになります。
・休日の散歩コースとして楽しむ
霊園の周辺はとても空気が澄んでいて涼しげです。
著名人のお墓は公園の中にあるものも多く、一日中ゆっくりと過ごせる場所でもあります。
そのため、お墓参りが済んだらその公園でゆっくりと休日を過ごし、散歩をするのが目的という墓マイラーもいます。
墓マイラーとしてのルール
墓地は亡くなったご先祖様たちが眠る大切な場所です。
そのため、墓地内では故人を偲ぶという気持ちを忘れず、大声を出すなど騒ぐような行為は厳禁です。
また、食べ物や飲み物などをお供えする方もいますが、放っておくとカラスや猫に荒らされてしまうため、お供えをしたら必ず持ち帰るようにしてください。
単純に手を合わせるだけでなく、お墓の周辺が汚れていたり雑草が生えていたりしたら、その場でお手入れするのも墓マイラーとしての忘れてはいけないマナーです。
実際、お墓の子孫の間ではマナーの悪さを問題視している方々もいらっしゃるので、観光地になっている場所でも、ルールを守るのを忘れないでおきたいですね。
<まとめ>
墓マイラーの本には、お墓を参る=お墓をきれいに掃除することと記されています。
近年、たとえ有名人のお墓でも時代が流れ人々から忘れられた場所も少なくないようです。
このようなお墓に足を運び、きれいに掃除をしてお線香をお供えできるのは墓マイラーならではと言えるでしょう。
ぜひ休日は著名人のお墓に手を合わせ、先人の声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか。