一口に和型墓石と言っても、その加工方法にはいろいろな種類があります。
今回は私たちにおなじみの和型墓石にはどんな種類があるのか、一つひとつ特徴を解説いたします。
香箱加工・トキン加工
神道の和型墓石に多いのが、竿石頭部が四角垂の形になっているトキン(兜巾)加工です。
神道は線香を立てないことから、代わりに水鉢を設置することが多いです。
また前にはお供え物を設置できるように、八足という台を設置していて仏教のお墓とは付属品にも違いがあります。
ほかにも墓石の頭部を加工しているタイプでは「香箱加工」があります。
こちらば墓石の上に幅が一回りせまい屋根を設置するデザイン。
角が丸く香箱のような形に見えることから上品で高貴な印象のお墓に仕上がります。
スリン型・蓮華加工
竿石の下に設置されている、蓮の花の形でできた石の台座のことを「蓮華加工」と言います。
蓮の花はお釈迦様が故人を極楽浄土へ連れていく時に乗せる台と考えられてきました。
そして、蓮の花ではなく座布団のような形をした台座は「スリン型」と言います。
これは本来蓮の花をかたどった「蓮華加工」を簡略化したもので、二つとも故人の極楽浄土への旅立ちを願って作られています。
切り出し亀腹加工・水垂れ加工・銀杏面加工
墓石の加工の中でも水はけを良くするために用いられているのが「切り出し亀原加工」や、「水垂れ加工」、そして「銀杏面加工」です。
・亀腹加工
亀腹加工はカメのお腹のように曲線加工を施したもので、盛り上がった曲線がある台座にになります。
墓石に高級感を出すだけでなく、水がスムーズに下に落ちるので水はけがよくなります。
・水垂れ加工
そして、「水垂れ加工」は台座以外にも上台や中台など、複数の場所に加工ができる傾斜をつける加工です。
また、雨が降った際は雨水と一緒に土やホコリ汚れが落ちやすいので、シミになりづらくお墓を美しく保つのにも役立ちます。
・銀杏面加工
土台部分の角に丸みを帯びさせることで、角部分の欠けを防ぐ効果がある加工方法です。
まるでイチョウの葉っぱのように、複数の段をつけた凝ったデザインでさり気ない高級感を演出する加工法でもあります。
<まとめ>
和型墓石は竿石上部から台座など、全体のあらゆる箇所でいろいろな加工方法が提案されています。
また、このような加工はお墓に個性や高級感を演出するだけでなく、水はけがよくなったり汚れをつきにくくしたりと、デザイン性と機能性の両方を兼ね備えているのです。
これからお墓の建立を考えている方は、ぜひ加工方法を実際に見てお好みの組み合わせを考えてみてはいかがでしょうか。