墓地と言えば死者を祀るところであり、なんとなく暗い、不気味などのイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?
しかし、ルーマニアのサプンツァ村にある墓地は世界でもめずらしい「陽気なお墓」として、有名な観光スポットになっているのです。
今回は有名なルーマニアの「陽気なお墓」とはどんな場所なのか、またそのように呼ばれている理由をご紹介します。
「陽気なお墓」はルーマニアにある!
ルーマニアの北部マラムレシュ地方にある土地、シゲット・マルマッツィエイから西に約18キロ進んだところ頃にサプンツァ村があります。
そこの墓地こそ、世界一陽気なお墓「Cimitirul Vesal」。
このお墓は墓マイラーをはじめ、一般人の観光客の間でも有名な観光地として知られています。
ルーマニアはあまり観光事業の発展が進んでいない国のため、案内板も英語が浸透していません。
旅行するのが大変な国でもありますが、それでもこの「陽気なお墓」には年間3万人もの観光客が足を運んでいるのです。
なぜ「陽気なお墓」と言われているの?
このサプンツァ村の墓地がどうして「陽気なお墓」と呼ばれているのでしょうか?
その理由は、お墓一つひとつがまるで絵画のように、あざやかな色彩のイラストが描かれているためです。
木製の墓標には、それぞれに故人の生前の様子や死因がイラストで描かれています。
墓地と言えば暗く厳かな場所のイメージがありますが、この「陽気なお墓」は墓地への暗いイメージがまったく感じられません。
お墓は一つずつサプンツァ村に住んでいる芸術家が手作りしていて、故人の職業や死因についても記載もされています。
もともとサプンツァ村では、自分の死が近づいてきた人間が、その人生を振り返って詩を残す風習があります。
そして自分が入る棺桶を用意して、黄泉への旅立ちの準備を整えていくのです。
この陽気なお墓の発案者は、1935年ごろの彫刻家イオン・スタン・パトラシュ。
愛する人が亡くなることはとても悲しいことですが、その傷がやがて癒えることを願って、お墓を明るいものにしようと故人への詩と絵を彫刻したのが始まりでした。
イオン・スタン・パトラシュの死後も、弟子がその意志を受け継いでお墓を作り続けていました。
この墓地を見てみると、お墓一つひとつに故人が眠っていて、それぞれドラマチックな人生を送ったことが感じられます。
人の数だけ人生がありドラマが生まれている、今は亡きご先祖様が身近に感じられるそんな場所として観光客に愛されているのです。
<まとめ>
「陽気なお墓」は約200円の入場料で観光ができます。
ルーマニアはとても自然豊かで、美しい田畑を見ることができる場所です。
ぜひ旅行をする機会があれば、サプンツァ村の「陽気なお墓」も観光してみてはいかがでしょうか。