ご自身が亡くなったあと、お墓に関することを残された遺族が引き継ぎます。
そのとき、自分はどのような形で埋葬されたいのか、また誰にお墓を継承してほしいのか、いろいろな希望をお持ちかと思います。
終活がブームになっている昨今ですが、お墓に関する遺言書を残すときはどんなことを書いておけばいいのでしょうか?
今回は遺言書に書くべきお墓のことや、遺言書の文例、注意点をご紹介いたします。
継承者の指名
お墓に関することで特に遺言書にしたためておきたいのは、自分の死後の祭祀継承者です。
今までは長男が継ぐことが当たり前でしたが、必ず長男が継がなければならない決まりはありません。
また、娘しかいないご家庭やそもそも子供がいないご夫婦もいらっしゃいます。
その場合、誰にお墓の祭祀継承をするのか遺言書にその意思表示をしましょう。
祭祀継承者に関する遺言書の文例
それでは、実際にどのような文章でお墓の継承者の相続について記せばいいのでしょうか?
具体的な文例をいくつかご紹介します。
・遺言者は祖先の祭祀を主催するものとして、〇〇(人名)を指定する。
・〇〇(人名)には、墓地を含んだ〇〇家代々の墓、および仏壇など祭祀に必要な財産一切を相続させる。
基本的には、誰を祭祀継承者にするか人名を指定することと、お墓やお仏壇などの祭祀に関連するものはすべて相続させるとの旨を記載しましょう。
遺言書を用意する上での注意点
遺言書を実際に作成した後に気をつけたいのが、生前のうちに家族に見つからないようにしておくことです。
事前に保管場所をむやみに話してしまうと、心無い誰かに手を加えられる可能性があるのです。
ですが、誰にも遺言書のことを伝えておかないと、死後に発見されないままになってしまうことも考えられます。
この状況を防ぐため、必ず心から信頼できる一人だけに遺言書を残しておいたことを伝えておきましょう。
また、遺言書を作成する際は個人だけでなく、専門家に相談することをおすすめいたします。
自己判断で作った遺言書は、有効な内容になっておらず効力を発揮できないケースも考えられます。
自分の希望を遺族にきちんと伝えられるよう、詳細まできちんと明記し効力がある遺言書を作成しましょう。
<まとめ>
遺言書にお墓に関することを書くときは、まず次に誰が継承者になってほしいのか、具体的な人名を記しておきましょう。
特に長男がいないご家庭だと、誰がお墓を継ぐのかすぐに判断ができず相続まで時間がかかってしまうこともあります。
終活ブームによってエンディングノートの作成をする方が増えてきましたが、遺言書とくらべて法的効力がありません。
しかし、遺言書ならきちんと条件を満たしていれば、法的効力があるので強い希望がある場合はぜひ活用しましょう。