“墓じまい”される方が増加傾向にあります。少子高齢化、都市部への人口流入、供養の簡素化・簡略化を背景に、インターネットやマスメディアでも多く取り上げられています。では実際に“墓じまい”を行った人はどのような理由があるのか、また、肝心の「遺骨」はどこにいくのでしょう。実際のアンケート結果をもとに検証してみます。
【墓じまいを行った理由】
石材業界唯一の経済産業省公認団体「全国石製品協同組合(以下 全石協)が行ったアンケートでは「継承者がいない」62.8%、2番目に17.5%で「お墓が遠い」、次いで13.1%で「お墓の維持費が高い」という結果になり、維持費などの経済的な理由より「継承者がいない」・「お墓が遠い」などの物理的な問題が墓じまいを行った理由であることが分かりました。
やはり、やむを得ない事情と環境が墓じまいの背景にはあるようです。
【墓じまい後の遺骨の行き場】
同様の全石協のアンケートでは墓じまいの後の遺骨の行き場は42.3%が新しいお墓を建てて納骨をしており、続いて、「納骨堂16.1%」、「永代供養墓14.6%」が続いています。
「既存のお墓への移動」と「新しいお墓を建てて納骨」を合わせて、過半数(52.5%)超え、「永代供養墓」と「納骨堂」等の施設をさらに加えると、8割を超えます。
どうやら、遺骨は捨てたりせず、引っ越しして、どこか違う場所に安置されているというのが実情のようです。
【まとめ】
”墓じまい”というワードが、マスメディアで多く取りざたされる際には、墓じまい=お墓を撤去して納骨場所を無くしてしまい墓参などの供養行為を行わない。という、あたかも「日本人の供養心が薄れている」や「お墓離れが進んでいる」という論調が見受けられますが、実際に“墓じまい”を行う人は、お墓を別に用意し、その中でも”新しいお墓を建て先祖や故人を供養し続けるのが最も一般的な姿であることがわかりました。
実際にはお墓や遺骨の引っ越しが”墓じまい”という名称で世間に広まっているようです。まったく「無」になる“墓じまい”の先行するイメージに惑わされず、後継者がいない場合でも慎重に考えた方が良いでしょう。
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