こんにちは。営業部の秋山です。
段々と寒くなり、秋のお彼岸を最後に今年はもうお墓参りに行かないという方も多いのではないのでしょうか。
この近辺では1月にお墓参りをする風習もありますが、最近お墓に行くと秋のお彼岸の献花が枯れてそのままになっているお墓も少なくありません。
雪が降る前に、枯れたお花だけでも片付けにいってみてはいかがでしょうか。
今回は、総務省が行った墓地行政に関する調査についてお話していきたいと思います。
目次
「墓地行政に関する調査」のアンケート概要
総務省が行った「墓地行政に関する調査」は、墓地・納骨堂の経営許可を受けた88市町村に対して行ったアンケートです。宮城県では仙台市、村田町が対象になっていました。
実施期間は基礎調査も含めて令和4年3月~令和5年9月と約1年半かかっています。
期間を要して調査した背景には、人口減少・多死社会の進展や家族間の多様化などがあり、無縁墓の発生状況やその解消のために調査したようです。
実際に墓じまいやお骨の改葬、墓石の移設などさまざまなご相談を受けることは実際に増えていると感じていますが、これから更に深刻化していくことが予想される問題です。
アンケート結果についてはこちら
総務省:墓地行政に関する調査-公営墓地における無縁墳墓を中心として-
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/hyouka_230913000167928.html
無縁墓とは?どのくらい把握できているの?
そもそも無縁墓とは、そのお墓や納骨堂の縁故者がいない状況です。そのためお墓の雑草が生えっぱなしになっていたり、天災で倒壊しているお墓であったり、荒れているというイメージがあります。そのためその付近に不法投棄が発生したりと二次被害の発生要因にもなっているケースもあるようです。
アンケート結果では無縁墓が発生していると回答した市町村の割合は58.2%と半分以上を占めている状況です。実際の無縁墓の数までは調査は難しいですが、上記のように十分な管理がされずに、荒れているお墓は多いようです。
では単純に縁故者を把握すれば良いのではとも思いますが、あくまでも使用者の住所及び氏名のみの把握に留まっており、縁故者情報を把握している市町村は10.2%と非常に少数で、縁故者情報の把握率20%未満の市町村は80.7%となっています。
また承継意向の確認のために、追跡調査をした市町村もあり1万区画の確認に約10年を要した例もあり、やはり簡単には問題解決はできそうにありません。
その他、事前に縁故者情報を把握する方法自体を、他市町村に情報提供してほしいと回答した市町村もあったようです。
無縁墓への対処は?どのくらい増加しているの?
まず何を基準にして無縁墓と判断するのかというのも市町村によって違いがあります。
基本的には「死亡者の縁故者がない墳墓又は納骨堂」と定義されますが、“管理料の長期間にわたる滞納”“使用者死亡又は所在不明から一定期間経過”“承継意思のある者の不在”“立札等掲示・墓参状況”の観点から判断しているようです。長期間や一定期間などそれらの期間は市町村に判断が委ねられています。
過去5年間に無縁墓の解消を図るために、墓じまい(墓石の撤去)や改葬に着手した実績がある市町村は6.1%です。
今後それらの実施意向があると回答した市町村は22.1%と、やはりこのまま放ってはおけない状況になっています。
ただし、縁故者情報の把握に時間を要することや墓石の保管場所や保管期間、宗教的感情など慎重な判断が必要になるため、これらの整備自体も課題になってきます。
実際に墓石の撤去を行った市町村でも保管対象・期間は永年、一時保管後処分、即時処分、未定と定まっていない状況です。
また墓石の撤去を行うにも、墓埋法に基づいた手続きを経て実施する必要があるため、更に時間を要します。
無縁墓にならないためにどうすれば良いか
市町村でも管理料の滞納があった方への早期対応や、使用者の情報更新に関して郵送で提出を促したり、提出書類に縁故者情報の記載を新たに設けた様式に変更したりと様々な取り組みを行っています。
ただ上記はこれから発生するであろう無縁墓に対する取り組みであり、現段階で無縁墓となっている問題解決にはなかなか結び付きにくいかもしれません。
また合葬式のお墓の整備をしたり、合葬墓に改葬する場合の使用料を免除したり、墓じまいの費用の助成など、使用者の心理的・金銭的負担を軽くしようという取り組んでいる市町村もあります。
<まとめ>
墓地は公営・民営・宗教法人と様々な経営主体があり、今回は公営に対してでしたが、私たちも墓地に行くとやはり無縁墓かな?と感じるお墓が増えてきていると感じています。
また墓じまいや改葬、移設をする方々とお話をしていても、「一人っ子で…」「娘は嫁いだから」「息子は帰ってこなそう」「子供に負担をかけないように」「みんな年を重ねたから」「親戚にももう頼めない」など様々な理由があります。
その方々は「無縁墓や荒れているお墓を見て、自分の家のお墓がこうなると考えると悲しい気持ちになる」とも言います。
お墓のこととなると暗い気持ちになりそうで、家族内でもあまり話題になりにくいテーマではありますが、これを機に少しお話してみてはいかがでしょうか。
墓じまいについてはこちらから
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