HOME

ならわし

お墓参りは一人で行ってはいけない?マナーや適した時期を解説

Pocket

お墓参りに一人で行ってはいけないと聞いたことがある方はいるでしょう。結論からいうと、お墓参りは一人で行っても問題ありませんが、注意点がいくつかあります。
また、お墓参りは一人で行くか行かないかよりもマナーが重要になるため、マナーや作法をきちんと理解しておきましょう。
この記事では、お墓参りに一人で行ってはいけないと言われる理由や気を付けたいマナー、お墓参りに適した時期や作法などを紹介します。

<お墓参りは一人で行っても問題ない>

お墓参りは一人で行っても問題はなく、宗教的な理由やマナーの観点からもルール違反ではありません。
お墓参りは故人さまを偲んで冥福を祈り、感謝の気持ちを伝えたり、心のつながりを感じたりなど、心の拠り所としての意味合いがあります。
一人でお墓に行って故人さまに冥福を祈ることがマナー違反になる根拠はありません。
なかには、「子どもが実家に帰ってこれない」「月命日のお墓参りは一人でしか行けない」など、一人でお墓参りを余儀なくされる方もいるでしょう。
お墓参りに決められたルールや決まりはないため、いつ誰とお墓参りに行くかどうかは個人が自由に判断して問題ありません。

<お墓参りに一人で行ってはいけないと言われる理由>

お墓参りに一人で行ってはいけないルールはありませんが、そもそもなぜそのような話が出てくるのでしょうか。
ここでは、お墓参りに一人で行ってはいけないと言われる理由や注意点を解説します。

-霊に憑りつかれるとされている

お墓は、霊がたくさんいる場所と信じる人も多いため、一人でお墓参りをすると霊に憑りつかれるといわれることがあります。
実際、肝試しや怖い話のエピソードにお墓が用いられることは多く、このような話を見聞きするうちに「お墓=霊」のイメージが定着した部分もあるでしょう。
しかし、お墓は霊的な場所ではなく故人さまと家族をつなぐための場であり、霊がいたとしてもお墓参りで悪い霊に憑りつかれるとは考えにくいです。
また、悪い霊がいたとしても先祖の霊が守ってくれると考えることもできるでしょう。
一方で、霊感が強い方や霊が怖いという方は一人で行くことにストレスを感じる可能性もあるため、誰かと一緒に行く方が安心できます。

-人目につきにくい

お墓参りに一人で行ってはいけないと言われる理由として、人目につきにくく、何かあったときに対応が遅れてしまうことが挙げられます。
日中でも人が訪れないような場所にお墓があると、ケガや病気で動けなくなっても助けが来る可能性は低いといえるでしょう。
また、昔は山奥には人が少なく、物取りに襲われるようなケースもあったため、場所によっては今も一人で行ってはいけないと言い伝えられています。
このように、病気や治安という面においては一人でお墓参りに行くリスクもあるため、特に人が少ない場所のお墓参りに行く際には注意しましょう。

-危険な場所にある

お墓によっては山の奥や斜面の上など危険な場所にあり、一人でのお墓参りが危険なケースもあります。
このような場所は転倒してケガをする以外にも、クマやイノシシなどの野生動物に襲われるリスクもあるため注意が必要です。
一人だとトラブルに巻き込まれた際に誰とも連絡を取ることができず、発見が遅れてしまう可能性もあります。
このような理由から整地されている墓地や人がたくさん訪れる墓地以外は、なるべく一人で行くのは避け、誰かと一緒にお墓参りするのが望ましいです。

-熱中症のリスクがある

お墓参りに一人で行ってはいけないといわれている理由の一つに、熱中症にかかるリスクも挙げられます。
特にお盆時期のお墓参りは年間を通してもっとも気温が高い時期となり、いつも以上に熱中症のリスクが高くなります。
また、夏場のお墓は照り返しが強いことや、日陰が少ないなどの要因も重なって熱中症になりやすい環境です。
一人でお墓参りにいく場合は、気温が低い午前中に行くのが望ましいといえるでしょう。
なお、お墓参りに行く時間帯も特に決められているわけではないものの、仏教の教えにより午前中に行くのが良いとされています。
これは仏様ごとは後回しにしてはいけないというもので、時間が調整できる場合は熱中症のリスクも踏まえて午前中がおすすめです。

<お墓参りで気をつけたいマナー>

お墓参りでは一人で行くかどうかよりも、マナーを守ってお参りすることが大切です。ここでは、お墓参りで気をつけたいマナーを紹介します。

-お供え物を放置しない

お墓参りに食べ物や飲み物などを持参してお供えする場合もありますが、放置するのはマナー違反になるため注意しましょう。
なぜなら、放置するとお供え物が腐って墓石を汚してしまったり、動物が寄ってきて墓を荒らしてしまったりするためです。
隣のお墓にも迷惑をかけるため、ほとんどの墓地でお供え物は持ち帰るように決められています。
お供え物の放置は厳禁ですが、お供え物を墓地で食べることはマナー違反ではないため、故人さまとテーブルを囲むような感覚で飲食することは可能です。

-お供え物で気をつけたいこと

お墓に食べ物や飲み物をお供えするときは、半紙などを敷いて、直接墓石の上に置かないように注意しましょう。
直接置いてしまうと墓石にシミがつく可能性があり、気づかずに放置すると完全に付着して取れなくなってしまうためです。
基本的にお供え物は持ち帰りますが、頻繁に墓参りをするという理由で次に訪れたときに片づける場合もあります。
このような場合、ビン類の飲料物だと風で倒れて中の飲料が墓石に付着するようなリスクもあるため注意が必要です。

-お供える花に注意する

お供えでは、絶対に供えてはいけない花はないものの、花が持つ意味合いから控えた方がいい花もあるため注意しましょう。
例えば、バラやアザミのようにトゲがある花はケガや死を連想することから、お供えの花とするのは注意が必要です。
また、同じような理由で毒を持つ花も死を連想させやすいため、彼岸花やすずらん、アジサイ、スイセンなども不向きです。
他にも、花が持つ意味とは関係なく、梅やキンモクセイのように香りが強い花は公共の場となる墓地にお供える花としては適しません。
稲穂や麦のように食べられる植物においても、動物や虫に荒らされてしまう可能性があるため注意が必要です。
お供えする花としては、花びらが散らずに長持ちする菊の花や、感謝や永遠の幸福などを意味するカーネーションなどがよいでしょう。

-線香を息で消さない

お墓参りで線香を消す際に、息を吹きかけて消すのはマナー違反となるため、口では消さないように注意しましょう。
線香を息で消すことがNGの理由は、人の口が動物を食べたり嘘をついたりし、不浄とされているためです。
その不浄である口から出る息を仏様に吹きかける行為は失礼にあたるため、以下のような方法で消すことが望ましいといわれています。
● 線香を上下に揺らして火を消す
● 線香消しで消す
● 線香を手のひらで仰いで消す
また、お墓にお供えした線香は最後まで燃え尽きるのを見届け、その間に故人さまの話をしたり、話しかけたりするのも大切です。

<お墓参りに適した時期>

お墓参りは、基本的には思い立ったときに行って問題ありません。
しかし、仕事やプライベートが忙しく、事前に予定を調整しないとお墓参りが難しい場合は、適した時期を選ぶことが重要です。
ここでは、お墓参りに適した時期を紹介します。

-お墓参りの頻度について

お墓参りの頻度に特別なルールはないため、毎日お参りしても、帰省が難しいようなら回数が少なくても問題ありません。
お墓参りは回数よりも行きたいと思ったときに行くのが重要であるため、祖父母に会いに行くようなイメージで問題ないでしょう。
「必ずこの日はお墓参りしないといけない」のように義務化してしまうと、お墓参りがストレスになって意味がありません。
お墓参りの頻度や回数はそこまで気にせず、お盆やお正月など帰省のタイミングに合わせて行うのでもよいでしょう

-お彼岸

お彼岸は太陽が真西に沈む日であることから、あの世とこの世の距離が近く、ご先祖様に想いが伝わりやすいという理由でお墓参りに適した時期です。
お彼岸には春彼岸と秋彼岸の2種類があり、春彼岸は春分の日を中日とする7日間、秋彼岸は秋分の日を中日とする7日間となっています。
お彼岸であればお墓参りにいつ行っても問題ありませんが、休日となる春分の日や秋分の日にお墓参りする人が特に多いです。
そもそもお彼岸とは、あの世を意味する仏教用語で悟りの境地を意味し、自分自身を見つめながら先祖や仏様に感謝する大切な時間とされています。
なお、「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように、お彼岸は季節の変わり目となり、真夏や真冬に比べると過ごしやすい気温の場合が多いです。

-故人の命日

お墓参りに適したタイミングとしては、故人さまの命日が挙げられます。命日には、『祥月命日』と『月命日』の2種類があります。
祥月命日は没年月日の年をとった日で年に1回、月命日は年と月をとった日のことで年に12回訪れます。
仏教においては故人さまを忘れないように、命日にお墓参りをする習わしがあるものの、お墓参りが義務付けられているわけではありません。
特に月命日だと、月に1回はお墓参りが必要となるため、普段から供養がしっかりできていれば無理をする必要はないでしょう。
また、当日に用事がある場合にお墓参りをしたいときは、仏事は先延ばしにしないという教えがあるため、命日よりも前に行うのが基本です。
ちなみに、仏滅や友引は縁起が悪くお墓参りは避けた方がいいと考えられていますが、言い伝えレベルであるため、命日のお墓参りを優先して問題ないでしょう。

-お正月

実家に帰省することが多く親族が集まるお正月も、お墓参りのタイミングとして適しています。
「お正月のお墓参りは縁起が悪い」と言われることがある一方で、むしろ新年にご先祖様に挨拶を行う方が良いという声もあります。
お正月のお墓参りに対して否定的な意見があるのは、おめでたいお正月に死者が眠る場所に行くのは縁起が悪いと感じる人がいるためです。
そのため、お正月のお墓参りは問題ないものの、帰省したときに反対する親族がいると、トラブルに発展する可能性もあるため注意しましょう。
一方、年末にお墓参りに行く場合、寺院では正月に向けての準備を進めて忙しいため、30日までにお墓参りをするのが望ましいです。
また、普段は夜遅い時間まで開いている霊園でも、年末年始は閉園時間が早まる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

-人生の節目

お墓参りはいつ行っても問題ないとされているため、人生の節目に先祖に報告したり、元気をもらったりするために行くケースもあります。
例えば、入学や進級、就職のように自分の置かれる環境が大きく変わるタイミングもお墓参りに適しているといえるでしょう。
また、結婚や出産など子孫繁栄に関連するライフイベントも、先祖にいち早く報告し、この世に生まれてきたことを感謝するタイミングの一つです。
お墓参りは祈りを捧げるだけでなく、自分自身を見つめ直す場にもなるため、嫌なことがあったときに行くというケースもあります。

-法要日

一回忌や三回忌などの法要日は、法事の際にお墓参りを行うケースも多いため、一つのタイミングといえるでしょう。
ただし、法要を行う場所とお墓の場所が同じとは限らない場合もあるため、事前に墓参りができるか確認しておく必要があります。
また、法事の際のご焼香は遺族、親戚、知人という順番で故人と関係の近い近親者から行うのが一般的です。
服装に関しても四十九日より前は喪服、四十九日よりあとは平服など、一定の決まりがあるため注意しましょう。

<まとめ>

この記事では、お墓参りは一人で行ってはいけない理由やマナー、適した時期などを紹介しました。
お墓参りを一人で行ってはいけないルールはないものの、お墓が危険な場所にある場合や、熱中症のリスクがある時期などは要注意です。
一人で行くとトラブルが発生した場合に迅速な対応ができない場合もあるため、人が少ない場所でお墓参りする場合は誰かと一緒の方が安心できます。
また、「お墓参りには線香を息で消さない」「死を連想させるような花を供えない」などさまざまなマナーがあるため、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
宮城県のお墓や墓石のことなら、株式会社佐藤石材工業にお任せください。明治39年に創業し、地域密着型の石材店として実績と信頼を積み重ねてきました。
なかなかお墓参りに行けないという方向けにお墓参り代行やクリーニングなど幅広いメニューに対応しています。
まずは、お気軽にお問い合わせください。

ピックアップ記事

  1. “墓じまい”が急増!遺骨はどこにいく?
  2. 石材選びは慎重に

関連記事

  1. お墓

    子供連れのお墓参りは危険!?お参りするときの注意点は?

    お盆や正月など実家へ帰省した際は、ご先祖様の供養のために子供連…

  2. お墓

    “墓じまい”が急増!遺骨はどこにいく?

    “墓じまい”される方が増加傾向にあります。少子高齢化、都市部への人口流…

  3. お墓

    お盆に灯篭流しをする理由は?精霊流しとはどんな違いがあるの?

    お盆の時期になると、川に灯篭を流す灯篭流しの光景がニュースで報…

  4. お墓

    新しいお墓の形!急増する「墓友」ってどんなもの?

    近年「墓友(はかとも)」を持つ方が増えてきています。この墓友と…

  5. お墓

    お墓参りや仏壇に欠かせないアイテムお線香。何で出来ているの?

    お墓参りやお仏壇に欠かせない仏具と言えば、お線香を挙げる方が多いの…

  6. お墓

    地方にあるお墓の分骨をしたい…。分骨の手順と注意点

    最近供養の形が多様化していることで、希望者が増えてきているのが…

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

最近の記事

アーカイブ

  1. お墓

    融通念仏宗ってどんな宗教?お墓には特徴があるの?
  2. 構造

    お墓の目地にはコーキングを
  3. お知らせ

    終活で欠かせないエンディングノート!そのメリットやデメリットは?
  4. 彫刻事例

    お墓を彩る「象嵌加工」の魅力について
  5. 石屋の出来事

    お客様との7つのお約束
HOME
PAGE TOP