曹洞宗
東溪寺は、寛正元年(1460)の開山で、初めは遠田郡大沢村百々(どうどう)に、大崎氏の家臣である百々左京亮隆元の牌寺として建立されました。天正18年(1590)の大崎氏の滅亡とともに百々氏も没落。100年にわたり荒廃していましたが、元禄4年(1691)に現在の地に移転し再興に努めました。当時は特定の人のために建てられることの多かった寺院ですが、この時の仏殿や庫裏などの建立は、一般の人々の信仰の結集によって成されています。現在の諸堂は、昭和52年の宮城県沖地震による被災を契機に総檀信徒によって建立されました。本堂にはご本尊の御釈迦様や薬師如来、三十三観音などが祀られており、訪れる人々の「悟り、治癒、安楽、克服」などの願いに広く対応しています。
東溪寺では、常日頃から、檀家や地域の人々との絆を大切に育んでいます。行事も密に行われ、特にお盆の時期にはお墓全部に蝋燭を灯し、露天を設け、また、東北弁の落語会を開くなど、気軽な交流の場づくりに尽力しています。ふれあいを通して、地域の人々が明るく、仲よく生きていく、そのことの大切さを伝えることに努めています。
旧田尻町の中心から、ほんの少し奥まった地に建つ東渓寺。
前諸堂から300年以上を経て昭和57年に建立された本堂。
現在地への移転時に協力を得た家の家紋を天井絵にした。
釈迦牟尼仏を中心に文殊菩薩や薬師如来などが祀られた本堂内部。
檀家過去帳が納められた位牌が並ぶ位牌堂。
境内には地蔵菩薩などの歴史ある像が立っている。
お寺は一人でも多くの方に来ていただき、亡くなった方に手をあわせ、生きることの大切さを学んでいただくところです。そこには、いつでも、「祈り」と「安らぎ」、「癒し」の空間があります。また、皆さまのお話を聞く用意をしておりますので、事前にご連絡くだされば、時間を設け、共に考えていきたいと思います。